福島の第2原発で働いていたという冷却作業員が、自身の日記で東電の発電所内で働いている人達を擁護した。
現在、福島県では、大勢の人が東京電力福島原発の爆発事故により避難生活をしいられている。そんな最中に東電の社員が「自分達は頑張っているんだ」との内容の日記を公開したことにより、ネット上では非難の声が集中している。
東北太平洋沖地震の影響だけではなく、津波、福島原子力発電所の爆発による高濃度の放射能漏れによる被害を受けている福島県。福島在住の記者にとっても見過ごすことのできない問題がネット上で話題になっている。
東京電力の社員で福島第2原発で働いていたという女性が自身の日記で原子力発電所で働いている職員を擁護する発言をした。その内容を要約してみた。
この女性は「お前だけは安全な所へ行け」と言われ、発電所を後にし親戚と合流したという。東電はすごく叩かれているが、作業員は命懸けで作業を続けている。どうか非難しないでと綴っている。
さらに、作業員が発電所を見捨てずに作業を続けたから、これだけの被害でおさまった。発電所を見捨てて逃げていたらこんな状況では済まされない。逃げずに立ち向かっている。津波の影響が想像を超えていた。地震だけなら第1原発の爆発も起きなかった。
避難勧告の圏外にいれば、健康に影響はない。健康に影響があるほど浴びるのは発電所で働いている作業員だ。寝ず食わずで現場に行っている。家族と連絡がつかない人も多いが現場で作業をしている。
そんな作業員達と一緒に作業ができて東電社員であることを誇りに思うと綴っている。
この日記を受けてネット上では賛否両論の意見が出ている。
「作業員が被災者より悲惨な環境にいることくらいわかってる」「現場で頑張っている人達を責める気はない」「作業員の方が大変なのはわかった」などの擁護の声が挙がっている。
一方で「作業員を叩く気はないが、東電は責任を取るべき」「職場放棄しといて被害者ぶるな」「そういうことは作業が終わってから言え」「きれいごと言ってる」「同情を誘ってる」などの批判的な意見が多数挙がっている。
また、「福島の人のことを考えたら当たり前」「福島で避難所生活している人の前でも同じことを言えるのか?」福島県の人は「放射能汚染のせいで福島のイメージが風評被害を受けている。俺らが悪いみたいに言われている」と被害を受けた福島県を擁護する意見も多数挙がっている。
福島県の佐藤雄平知事は、テレビ番組で「福島県で原子力発電所が爆発したが、原子力発電の問題は県ではなく国の問題である」「放射能の汚染により風評被害が出ている」「地震や津波の被害に加え、原発の被害もあり、避難所だけでなく県内の広い地域で食糧や燃料が足りていない。しかし、放射能汚染により、放射能を恐れて、食糧や燃料が福島県に届かない」と強く訴えていた。
福島県在住の記者にとっても地震、津波、原発の問題は深刻な問題である。事実、記者の家でも燃料が少なくなってきている。今のところ食糧はある。しかし、このまま物流が滞ってしまうと、いつまで食糧が間に合うかもわからない。さらにそれよりも、避難している被災者の食糧や燃料が足りるのかが気になるところだ。
政府や運搬業者の方たちにお願いしたい。福島県では食糧や燃料が足りなくて、飢えや寒さをしのいでいる被災者の方がたくさんいる。風評に惑わされることなく、福島県にも食糧や燃料を送って頂きたい。切なる願いである。
(TechinsightJapan編集部 瑛里)