writer : techinsight

JRCとクリプトン、営利目的のインタラクティブ配信に限定して著作権使用料を徴収する運用スキームを開始

インターネット時代の音楽文化に合わせた、新しい音楽著作権の管理を目指していくという。

音楽著作権の管理事業を行う株式会社ジャパン・ライツ・クリアランス(=JRC)と、VOCALOID合成音声ソフトウェア製品「初音ミク」などの開発・販売を行うクリプトン・フューチャー・メディア株式会社(=CFM)は20日、CFMが管理を行う音楽著作物のインターネット上の利用、すなわちインタラクティブ配信に関する著作権の管理について、営利目的での利用に限定して著作権使用料を徴収し、非営利利用の場合には著作権使用料を免除扱いとする取り組みを開始した。

これにより、非営利目的の場合には著作権使用料を気にすることなく楽曲が利用できる環境が整備されたことになる。また、CFMが管理する楽曲を営利目的のインタラクティブ配信で利用する場合は、JRCがその著作権使用料を徴収してCFMがクリエイターに分配を行うことが可能になる。

CFMは先月、いわゆる「VOCALOID音楽」のクリエイターが業務用通信カラオケや放送、CDレンタルなど商用での楽曲の利用から発生する著作権使用料を得られるようにするための「音楽出版事業」への参入表明を行っている。

インターネットにおける音楽の利用では、ある楽曲のリスナーが同時にその楽曲を用いたクリエイターとなることが特徴的であり、このような「リスナー兼クリエイター」の利益を最大限に考慮した著作権管理のあり方が求められている。

CFMは、こうしたインターネットにおける音楽利用の特徴を生かして成長する 「VOCALOID音楽」に適合するよう、クリエイターが自らの楽曲について、非商用の利用であれば著作権使用料を気にせずに楽曲を利用でき、また第三者に対しても積極的に楽曲利用の機会が提供できる音楽著作権管理を目指してきた。

そして今回インタラクティブ配信に関する著作権の管理についても、このような理念を実現できるよう検討を続け、今回のJRCとの頭書の合意に至ったという。

なお、JRCとCFMでは、楽曲が商用利用された実績のある人々を対象に、著作権管理を希望されるVOCALOID音楽クリエイターを広く迎える。音楽著作権管理を希望するアーティストや、興味関心を持つ人からの問い合わせをメールにて受け付けている。連絡先は下記の通り。

piapro@crypton.co.jp
クリプトン・フューチャー・メディア株式会社まで
(TechinsightJapan編集部 鈴木亮介)