writer : techinsight

【名盤クロニクル】圧巻のライブパフォーマンス 福原美穂「Sing a Song tour 2010」DVD

(ジャンル:ロック/J-POP)

メジャーデビューからわずか2年半余、アメリカの教会でのゴスペルパフォーマンスも経験してすっかり大物感を漂わす福原美穂、初のライブDVD(2010年12月22日発売)は圧巻のライブパフォーマンスで見る者を圧倒する凄い演奏だ。

彼女のパフォーマンスをJ-POPだと思って鑑賞してはいけない。完全別次元なのである。

ロックスピリットやソウル/ゴスペルフィーリングまで余裕でこなす確かな歌唱力と明瞭な日本語の発音、達者な英語、そして語り口の上手さは、玄人好みとしか言いようのない素晴らしさだ。

ライブ映像を見ると分かるが、オーディエンスの年齢層も結構高めである。いわゆる洋楽オヤジのハートもがっちり捉えているようだ。

もちろん、J-POP風バラードも余裕で歌う。力を抜いているようでいて、感情をめいっぱい込めているのがよくわかる。

本人弾き語りで歌うバラード「優しい赤」は、本当に声だけで詩の風景が見えるような「うた」そのものである。

ライブ後半は、余興で披露するゴスペル定番「アメイジング・グレイス」に続いて、ビートルズナンバーの「ゲット・バック」英語版&日本語版から、たたみかけるように、ロック/ソウルメドレーへ突入。

ちょっと頑張りすぎなシャウト応酬でフラフラになっているのは、気合いが入りすぎたようだが、その姿も好感が持てるのがよい。

この緩急取り混ぜ全力疾走のライブパフォーマンスは、同時発売のバラード集「Regrets of Love」にも、音源として収録されているので、彼女のバラードだけを堪能したいリスナーには、こちらもオススメしたい。

また、J-POPのマンネリ化を嘆いて、洋楽に戻ってしまったベテランリスナー世代にもぜひ聴いてほしいライブである。
「若手日本人アーティストも凄いぞ」という、イチオシのライブ映像だ。

(収録曲)
1. OPENING
2. RISING LIKE A FLAME
3. 未来-ミライ-
4. なんで泣きたくなっちゃうんだろう
5. MC
6. もしかして
7. TOUR DOCUMENT vol.1
8. 絶え間なく
9. Cry No More
10. 優しい赤
11. TOUR DOCUMENT vol.2
12. Baby Baby
13. I BELIEVE
14. MC2
15. CHANGE
16. GET BACK
(ほか全24トラック)

(TechinsightJapan編集部 真田裕一)