writer : techinsight

遠隔地のオフィスの人が何をしているのかを察知して、コンタクトできる技術を開発 OKI

同じオフィスにいる人に声をかけるときには、電話中や上司と打ち合わせ中のときを避けて、タイミングの良いときに行うのがルールだ。

しかし、遠隔地のオフィスのスタッフに連絡するときには、相手の状況が分からないので一方的に電話をかけてしまい、相手が出ないと折り返し電話をお願いしたり、メールで別途連絡したりして非効率的である。

そうした状況を改善すべく、OKIではこのたび、オフィス空間同士をつなぎ、離れた場所にいても同じオフィスで活動しているような臨場感を実現する「オフィス空間内の人や機器の位置情報を活用するメディア処理・提示技術」を開発し、さらに本技術を用いた次世代コミュニケーションシステムを開発中である。

今回開発された「オフィス空間内の人や機器の位置情報を活用するメディア処理・提示技術」は、オフィス空間内の人や機器の位置情報を活用することで、指定した人やエリアの映像・音声などのマルチメディア情報を遠隔地の利用者に伝送するものである。

従来の遠隔コミュニケーションシステムでは、相手にアクセスする際に電話番号やIPアドレスなど通信を行う端末に紐付いたアドレス体系を利用者が意識して使う必要があった。

それに対し本技術を利用したシステムでは、直感的な操作でコミュニケーションが可能となる。例えば、遠隔オフィス全体の映像に映っている人をタッチするという操作で、その人とコミュニケーションを開始することができる。

情報管理サーバ上にオフィス空間における人や機器の位置情報を登録することで、遠隔オフィスから接続してきたコミュニケーション端末にその位置情報を送信できる。

受け取った位置情報と利用者からの操作情報に基づいて遠隔オフィスのどのマルチメディア情報入力機器に接続すべきかをコミュニケーション端末が判断し、配信サーバに配信要求を送出する。

配信サーバでは、その要求に基づいて指定エリアのマルチメディア情報を配信する。利用者は、端末上で見ている遠隔地の映像上の場所を指定することで、指定したエリアに対応する映像や音声を視聴することができるようになる。

また、今回これらの技術を搭載した次世代コミュニケーションシステムも開発している。

このシステムでは離れた場所にいる利用者が、オフィスに設置された複数のカメラ・マイクで取得したマルチメディア情報を位置情報に基づいて利用できるようになっている。

これにより遠隔オフィスを俯瞰し、気になるエリアに近付き、そこにいる人と対話をするという動作を実現している。

具体的には、支社の営業課長が本社の担当者にコンタクトを取りたいとき、的確なタイミングでコミュニケートすることで、相手の仕事の邪魔をせず、あたかもすぐそばで仕事をしている人に声をかけるのと同じ感覚を共有できるという次世代コミュニケーションを目指しているということである。
(TechinsightJapan編集部 真田裕一)