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(ジャンル:クラシック)
今年2010年はマーラー生誕150年、来年2011年はマーラー没後100年である。2年連続マーラーイヤーという、マーケット規模の大きくないクラシック界では異例のイベントと相成り、コンサートもCDリリースも盛んである。
そんな中、マーラー初体験というリスナーにオススメしたいのが、バーンスタイン指揮マーラー交響曲第2番ハ短調「復活」である。
マーラー作品の中心を占める10曲の交響曲は、現世への絶望、死への恐怖そして宗教的救済への希求と現世の美への未練といったモチーフで書かれており、それは多くの現代日本人の心性をそのまま映し出すものと言える。
演奏規模も大きく、上演時間も長いマーラーの交響曲が頻繁に演奏されるのも、そうした魂のレベルでの共感が得られる音楽であるからにほかならないだろう。
CDはもの凄い数がリリースされているのだが、やはりマーラー演奏では比肩するものがないと言われるレナード・バーンスタイン指揮のものを推奨したい。
極端に遅いテンポを用い、第1楽章の運命の鉄槌のような荘厳な主題、第4楽章におけるこの世的な美への表現。そしてクライマックスである第5楽章が、逍遙を重ねた末に表れる救済の光のような合唱。実に素晴らしい。
なお、マーラーの交響曲のうち、大規模な管弦楽と合唱を伴う第2番、第3番、第8番は映像的にも壮大であるため、可能ならば実演に接したり、DVDを購入して、楽しむことが推奨される。
歌詞対訳が表示されるのもDVDの強みである。
バーンスタインは、マーラーの交響曲全集を映像(DVD)で残しているが、現在のところ生産中止のようである。
マーラーイヤーを契機に、ぜひ再発売して欲しいものである。
(TechinsightJapan編集部 真田裕一)