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庶民の敵?味方? 貸金業法改正で新導入の「総量規制」に思わぬ落とし穴か

先月18日に施行された改正貸金業法により、出資法の上限金利が従来の29.2%から20.0%に引き下げられるとともに、総量規制の導入が始まった。借金に縁のない人にとってはピンとこないかもしれないが、そもそもこの聞き慣れない「総量規制」とはいったいどのような規制で、何のために導入されたのか。

「総量規制」とは今年6月以降、年収の3分の1を超える貸し付けを原則として禁止するというものだ。例えば年収が300万円の人は100万円超の借り入れができなくなるということになる。これは過剰な借金により多重債務、返済不能に陥ることを防ぐことが目的だ。
では、実際にこの規制が導入されると我々の生活にはどのような影響が及ぼされるのか。クレジットカード会社の業界大手のオリエントコーポレーション(=オリコ)に聞いた。

オリコによると、確かに総量規制には多重債務者の減少、発生防止などのメリットがあるとのことだ。しかし一方で課題もあるという。特に、最大の影響を受けるのは個人事業主だ。総量規制に該当する可能性が高いというのだ。

昨年日本貸金業協会が行った調査によると、個人事業主の借入利用者の75.6%が「今後も貸金業者を利用したい、利用を検討したい」としながらも、50%が「返済能力の根拠となる書類の提出は困難」と回答しており、従来のように資金の借り入れができず、事業展開に支障をきたす個人事業主も出てしまうと想定された。そこで金融庁では、改正貸金業法の円滑な実施へ向けて「借り手の目線に立った10の方策」を打ち出し、申込時に必要な事業計画等に記載すべき事項を簡素化した。

こうした背景を踏まえ、業界大手のオリエントコーポレーションでは、個人事業主専用のローンカード「CREST for BIZ」を発売した。
「CREST for BIZ」はこの「総量規制」の例外貸付となる商品であり、本商品に限り、新たな貸付については「総量規制」の対象外となり、年収の3分の1を超えても返済能力に応じて資金の借入が可能となる。貸付利率は実質年率で7.8%から18.0%、利用可能枠は最高100万円、年会費は無料。つなぎ融資に、また、ビジネスチャンスにいかす資金にと、個人事業主のスピーディーな資金調達を実現する。
まさに「CRESTforBiz」は、個人事業主の救世主となりそうだ。

「CREST for BIZ」の詳細および資料請求はオリエントコーポレーションの
ホームページ(http://orico.jp/biz) へ。
(TechinsightJapan編集部 鈴木亮介)