初音ミクでおなじみのクリプトンフューチャーが、このたび自作系ミュージシャンを対象に、自作楽曲をスピーディにiTunes　Store、Amazon.mp3などに配信するサービスを開始した。これまでの音楽配信の複雑な流通システムを飛び越え、ミュージシャンとリスナーを直接結びつけるサービスとして注目される。

「RouteR」は、当社と主要配信ストアとの直接契約により、音楽の創り手と聴き手を世界規模でダイレクトに結びつけるためのサービスである。

iTunes Store、Amazon Mp3といった主要配信ストア、BeatportやJunoDownloadなどクラブ系専門ストア、ケータイ着うたを含めた国内ストアにも対応しており、配信ストアは今後も順次追加が予定されている。

「RouteR」の利用手続きは、すべてWEB上から行えるほか、同社では配信業務を効率的に運営する独自システムを構築しており、従来のアグリゲイターでは対応が難しかったスピーディな音楽配信を実現する。

さらにミュージシャンやレーベルの活動をサポートするさまざまなWEBツール（GEAR）の提供や、音楽制作のための豊富なオプショナルサービスも予定している。

独立系ミュージシャンやレーベルマネージャーはもちろん、スタジオ経営やプレス業者の付加価値提供のひとつとしても利用できる。

楽曲のアップロードから月別の集計レポートまで、全ての作業がネット上でスピーディに操作可能となっており、音源等の必要データを提出してから配信スタートまで1～4週間となっており、スピード配信に対応している。

気になる料金だが、レーベル登録料　0円（2010年12月末まで、無料キャンペーン中）で展開中だ。
そして、アルバムセットアップ料として、基本料金がiTunes Storeのみで4,800円 iTunes Store以外 6,800円となっており、iTunes Store + iTunes Store以外でも6,800円なので、通常はこのコースを選んだ方がお得であろう。

追加料金として、2曲目以降500円/曲となっている。

10曲入りアルバムを配信するのに、11,300円という試算になる。

プロモーションプランも展開されており、「RouteR Diamond」として「RouteR」でリリースされたタイトルからイチオシのリリースをピックアップし、独自のプロモーションを展開。リリースと同時に効果的なPRを試みるほか、アーティストページ制作オプションとして、「RouteR」内にアーティスト紹介ページを制作。より詳細なアーティスト、レーベル情報の露出が可能になる。

レコード会社主導の音楽配信から、自主配信への移行により、ローコストでのプロモーションと収益構造の改善を図ることができ、独立系ミュージシャンにとっては大きな吉報と言えるだろう。
（TechinsightJapan編集部 真田裕一）