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社長との距離感は地球と火星ぐらい遠い JTBモチベーションズのリサーチ結果

ビジネスマンは、本来、自分に与えられた職務に忠実であればよいはずだが、日本型組織においてはそういうわけにはいかない。
会社の理念に対して共鳴し、自らが会社と精神的に一体とならないと、モチベーションが沸かないのが現状だ。
そこで、本来、会社の理念や目標を指し示すトップである社長との距離感が重要になる。この距離感を実際のキロメートル数で表現するユニークなアンケートが実施された。
その結果、社長と社員の距離は、4億キロつまり地球と火星の距離(最も離れた状態)に等しいという回答が20%あった。雲上人どころか宇宙人になっている社長が少なくないようである。

JTBモチベーションズでは、インターネットリサーチにより、社長や会社に感じる「気持ちの上での距離」に関する調査を実施し、データの分析結果を発表した。調査対象は、従業員数500名以上の企業に所属する、全国の会社員515名となっている。

同リサーチによれば、会社との距離「4億キロ」と回答した人のうち、4割が「会社の業績は悪化」と回答している。

7%強が「5%以上悪化している」、33%が「10%以上悪化している」と回答し、悪化したという人があわせて4割を超えた。

会社との気持ちの上での距離を縮めるために役立つ施策として、最も多くの人が選んだのが、「会社の理念や戦略を認識し、共感できる」ということであった。

社長からの発信、社内コミュニケーションの活性化などを通じて、徹底した理念や戦略の浸透を行っていくことが必要としている。

昭和の時代であれば、飲みにケーションや社内行事などで会社家族意識を涵養していたところだが、終身雇用制も崩れ、会社の発展よりも自らの保身のほうが重要課題となっている現在、どうやって理念や戦略を周知させていくか、社員教育の新しいあり方が問われていると言えるだろう。
(TechinsightJapan編集部 真田裕一)