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「熟議」意味知ってる?文部科学省がサイト開設、人気漫画家に白羽の矢

貴方は「熟議(じゅくぎ)」という言葉をご存じだろうか。充分に議論を尽くすこと、相談をすることといった意味があるが、この言葉が今、熱い!らしい。なんと、文科省も注視しているということで、その真相に迫ってみた。

文部科学省が「熟議」を重要視?なんだかピンと来ないが、調べてみると確かにあった。「熟議カケアイ – 文科省 政策創造エンジン」という、正真正銘、文科省公式のサイトだ。今月開設されたばかりで、現場対話とインターネット活用等による熟議によって教育政策を形成することが狙いだという。

サイトには「今、この国の教育は大きな困難と不確実な岐路に立っている。複雑で多様な問題をどのように解決し、どんな将来像を描いていくのか。(中略)教育者、保護者、市民、識者、教員をめざす若者たちの声やつぶやきが集まり、自由に議論される場をつくる。議論が議論を呼び、「熟議」されていき、政策形成が確かになっていく。そして、その政策が次の入り口になっていく。この市民主役のプロセスこそ、今、求められており、実行しなければいけないものだと考えた」
と、コンセプトが謳われている。

文科省は、熟議の原点として少数意見をしっかりと聞くことや、本音をぶつけあい課題を解決していくこと、そして関係者のそれぞれの立場や役割をお互いに理解することを挙げており、安易な多数決に疑問を呈し、とりわけ次代を担う子どもたちのいる現場に一石を投じる事例をホームページ上で紹介している。

そして、この「熟議カケアイ」のサイト上では、子どもたちにもこの「熟議」という言葉や概念を分かりやすく説明するために、マンガを複数公開している。

マンガの作者は、無料ケータイサイト「ヒトコト(http://hitokoto.mobi/)」で累計アクセス約830万PVという人気を誇る「小6女子」を連載中の人気漫画家・冬川智子氏だ。

女性のあるあるネタを得意とする冬川氏が、身近にある「熟議(じゅくぎ)」の大切さについて、文科省の依頼を受けてボランティアで描き下ろした作品が公開されている。サイトを運営する株式会社ソニー・デジタルエンタテインメント・サービスによると、題材となっているのは高校生の日常だという。

冬川氏のマンガは「熟議カケアイ」のサイト上にて無料で閲覧できる。難しい理念はさておき、まずはマンガから「熟議」の門をくぐってみてはいかがか。
(TechinsightJapan編集部 鈴木亮介)