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理系女子の本音続々… 進路決定したのはいつ? 尊敬する科学者は?

「娘を理系に進学させたい!」「理系の大学生だけど彼女が欲しい!」という人たちは必見だ。「理系女子」の本音が続々と明らかに…。学習塾大手の栄光ゼミナールが興味深い調査を行った。

全国に6万5千名の塾生を持つ学習塾大手の栄光ゼミナールは1日、短大および大学、大学院の理系学部に在籍している、もしくは卒業した女性に対する意識・実態調査を行った。調査は先月10日から16日にかけてインターネットリサーチにより行われ、1000名の回答を得た。

調査はまず、中学校時代の教科について得意・不得意を単一回答にて尋ねた。その結果、理科では「非常に得意だった」と「やや得意だった」が合わせて74.1%となり、「あまり得意ではなかった」の6.7%や「全く得意ではなかった」の1.9%を大きく上回った。同様に数学も「非常に得意だった」または「やや得意だった」と回答した人が合計で7割を超えたが、一方で社会は「不得意」と回答した人が「得意」を上回った。

属性別に「非常に得意だった」または「やや得意だった」と回答した割合を見ると、数学では「理・工系在籍者・出身者」が合計79.6%、「農・獣・畜産・水産系在籍者・出身者」が合計58.8%、「医・歯・薬系の在籍者・出身者」が合計68.6%となっており、全体と比較すると「理・工系在籍者・出身者」は7.6ポイント高く、「農・獣・畜産・水産系在籍者・出身者」は13.2ポイント低くなっていた。

次に、理系への進学を決定した時期についても尋ねた。その結果、「高校生」という回答が50.6%と最も高く、半数を占めた。次いで「中学生」が31.2%、「小学校高学年」が10.7%で、「小学校入学前」という回答も2.5%あった。また、理系の学部・研究科に進学した理由・進路選択理由を複数回答にて聞いたところ、全体では「理数系科目が好き・得意だったから」が最も多く53.3%となり、以下「医師、薬剤師などプロフェッショナルな職業に憧れて」が31.6%、「就職に有利だと思ったから」が28.6%、「物理や化学の実験が好きだったから」が27.3%などとなっている。理数系の勉強に関することや職業・就職に関することが理由として多く挙げられた。

調査ではさらに、「今後市場が伸びると思う先端技術の分野」についても複数回答にて尋ねた。その結果、全体では「遺伝子工学」が61.8%と最も多くなり、次いで「バイオテクノロジー」が52.5%、「太陽光発電/太陽電池」が50.5%、「環境関連技術」が48.4%、「ナノテクノロジー」が48.2%などとなっておりおり、遺伝子関連、環境関連が多く挙げられた。

そして「女性科学者や技術者の活躍が日本で増えるために必要なこと」を複数回答にて聞いたところ、「女性科学者や技術者の就職先の増加」が76.5%でトップとなり、以下「男性の育児休暇取得率向上など男性の育児参加」が61.3%、「女性科学者や女性技術者を育成する専門の教育機関の増加」が44.6%などとなっている。

このほか、調査では「憧れる科学者、発明家、研究者」についても尋ねた。理系女子1000人が選ぶ偉人のトップに立ったのは、特殊相対性理論及び一般相対性理論で有名な「アルベルト・アインシュタイン」で114名がその名を挙げた。次いで2位は、発明王として知られ、電球を発明した「トーマス・エジソン」で110名、3位は黄熱病などの研究で知られる「野口英世」で83名となり、トップ3はいずれも男性の科学者が挙がった。女性科学者としてトップを占めたのは、キュリー夫人として知られ、女性として初のノーベル賞受賞者である「マリ・キュリー」で、全体の4位・75名であった。

理系「女子」に限らずかもしれないが、やはり中学時代に得意な教科がベースとなり、高校生の頃に進路決定する学生が多いようだ。そして、進路選択理由が学部により異なり、「理・工系」では「物理や化学の実験が好きだったから」、「農・獣・畜産・水産系」では「環境問題の解決をしたかったから」、「医・歯・薬系」では「社会貢献できると思ったから」とそれぞれ異なっているのも興味深い。

なお、この調査結果の詳細は栄光ゼミナールのホームページにて公開されている。
(TechinsightJapan編集部 鈴木亮介)