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日本HP 手のひらサイズのシンクライアント「HP t5325 Thin Client」を発売

端末側にデータを持たないシンクライアントのメリットは十分に知られているにもかかわらず、普及が加速しない理由の一つに端末料金がローエンドPCとほとんど変わらないことが挙げられる。しかし今般、日本HPから手のひらサイズで2万円台という価格を実現したシンクライアント端末「HP t5325 Thin Client」が発売される。

「t5325」は、文庫本や官製ハガキより一回り大きいサイズのコンパクトな筐体を採用するシンクライアントである。
ネットワークに接続して電源を入れるだけであるぐに使い始めることが可能な「ゼロタッチコンフィグレーション」など、操作性に優れた管理機能を多数搭載しながら、2万円台前半のリーズナブルな価格を実現した。

ネットワークプロトコルとしてCitrix ICA 11とRDesktop1.6(RDP)に対応し、Citrix XenDesktopTM とVMware Viewのインターフェイスを備えているので、手間なく低予算で導入可能なクライアント仮想化ソリューションの端末として活用できる。

適切な設定をFTPサーバーから自動取得する「ゼロタッチコンフィグレーション」の搭載により、「t5325」は、DHCPサーバーとFTPサーバーを含むネットワーク環境であれば、LANケーブルを接続して電源を入れるだけですぐに使い始められる。

また、上記以外の環境でも、Citrix XenDesktop/VMware Viewに対応した HP独自の簡単設定ウィザードにより、初期設定の手間を大幅に削減できる。

シンクライアント環境への移行は、実はそう簡単ではない。ネットワークトラフィック量の見積もりと負荷分散方式の決定、ユーザーレスポンスの厳密な測定、アプリケーションの互換性など、解決すべき事項はたくさんあり、セキュリティリスクを含めたTCOで比較して試算する必要がある。

しかし、端末料金が圧倒的に安い本製品は、コストメリットの面で検討に値するだろう。
(TechinsightJapan編集部 真田 裕一)