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NTTデータ「フルOSSクラウド構築ソリューション」を提供開始

クラウド利用に関して障壁となっているのが、重要データをインターネット越しで外のサーバーに預けてしまうことの不安が挙げられる。そこで社内に設置するプライベートクラウドの利用が考えられるが、今度は導入コストの高さがネックになるというのが現状だ。

そこで、NTTデータでは、クラウドサービス「BizXaaS」の「クラウド構築サービス」のラインアップに、初期投資を抑えられるフルオープンソースによるプライベートクラウド構築ソリューションを追加した。

このソリューションでは、クラウドを利用する際に、クラウド運用者側と特別の利用手続きなしに、直接利用することができるセルフサービスを実現している。

セルフサービスとは、例えばCPUやメモリーや容量などを自分が使いたいだけ自分で設定できるサービスである。

このサービスの実現のために、オープンソースの「Eucalyptus」(ユーカリプタス)を採用した。

「Eucalyptus」は、Amazon Webサービス互換のAPIをもつOSSであり、仮想化技術としてXen(ゼン)あるいはKVM(ケーブイエム)を利用することができる。

また、Amazon Webサービス互換であることを生かし、本ソリューションで使用する仮想マシンイメージとAmazon Webサービスで使用可能な仮想マシンイメージの相互変換が可能である。

さらに、システムの規模やセキュリティ要件の変化に伴い、商用クラウドサービスからプライベートクラウドへと移行したい、といった要望を支援する。

利便性を向上させる目的で、GUI化されたクライアントツール、仮想マシンのグループ管理機能やバージョン管理機能を実装している。

これにより、ユーザーは、簡単なGUI操作によって、簡単に仮想マシンを利用できるとともに、複数の仮想マシンの利用をした複雑なシステム開発も容易に行える。

プライベートクラウドを利用する場合、運用管理者の内部育成が問題になるが、仮想マシンの管理機能、LDAP認証機能、ユーザー毎のリソース管理制限機能などを追加し、「Eucalyptus」に不足していた運用管理系機能の強化も行っている。これにより、クラウド運用者は、簡単にクラウドを運用することができる。

提供開始は2010年度上期からとなっており、2010年4月8日から受付が開始される。
(TechinsightJapan編集部 真田 裕一)