(画像提供:Amazon.co.jp)
(ジャンル:フレンチポップ)
フランソワーズ・アルディといえば、名曲「さよならを教えて」や「もう森へなんか行かない」などで日本でもよく知られているフランスのシンガーである。
今は廃刊になった雑誌「Olive」の読者から圧倒的な支持を受けており、70年代にはかの松任谷由実(荒井由実)が、「わたしのフランソワーズ」という曲を書いてリスペクトしていることでも知られている。
今回は、そんなフランソワーズ・アルディが80年代に一度引退したのち、再活動を始めて2004年に発表した傑作「永遠の愛の誓い」を紹介したい。
今ではリスナーがミュージシャンに自分の人生を重ね合わせるなどということは考えられないが、70年代~80年代には、フランソワーズ・アルディの音楽世界は、女性の生き方のひとつのシンボルであった。
そして、女性にとって一番難しいのは、美しく年齢を重ねるということである。よく50代を過ぎてから突然破廉恥な振る舞いをする芸能人もいるが、見ていて面白いとはいえ、あまりお手本にしようという人はいないだろう。
しかし、このフランソワーズ・アルディの近作「永遠の愛の誓い」に収録された曲のナチュラルな気品のなんと素晴らしいことであろうか。アルディのフランス語には、エグさがほとんどないので、耳にスッと入ってくるのも日本人にはなじみやすいであろう。
80年代にはディスコブームに乗ってみたり、フレンチポップの王道に回帰したり、ロック的になったり試行錯誤していたアルディも、2000年代に至って、自分の原点である70年代のアンニュイなムードを純化させて、落ち着いた大人の女性を演じることに落ち着いたようだ。
かつての「オリーブ少女」にとっても、受け入れられる要素は十分である。今は思い出となってしまったリセエンヌへの憧れをもう一度自分の中で再発見してみるには、非常に良いアルバムであると言えよう。
現在、国内盤は廃盤のようであるが、フランスのアマゾンAmazon.frならば入手は簡単である。
(収録曲)
1. 永遠の愛の誓い
2. 月影
3. 庭師
4. モーメンツ
5. ガラの夜
6. 火山
7. ソー・メニー・シングス
8. グランド・ホテル
9. ありふれた狂気
10. ギター
11. 夜
12. 舞台
(TechinsightJapan編集部 真田 裕一)