writer : techinsight

【パソコン快適活用術】バックアップが楽しくなるPersonalBackup X5

(MacOSX Only)
パソコンを使う上でバックアップが非常に重要であることは、上級者になるほど身に染みて知っている。バックアップを怠った結果、貴重なデータを失った経験があるからだ。
それにもかかわらず、意外と上級者であってもバックアップ作業はサボりがちなるのもまた事実である。
その理由は簡単である。バックアップという作業自体がちっとも楽しくないからである。それならば、楽しいバックアップソフトがあればバックアップ頻度も上がってデータ消失事故も減るに違いない。そんなバックアップソフトが「Personal BackupX5」である。

このソフトの秀逸な点は、まずデザインである。バックアップ作業中はハードディスクが回転しているアニメが表示され、「おお!いかにもパソコンが一生懸命働いているぞ」という様子を目で確認することができる。

実際にバックアップがどこまで進んでいて、あと何時間で終わるのか、バックアップ先の容量は大丈夫なのかなど、バックアップにまつわる不安を解消するよう、細心のインタフェース設計がとられている。

バックアップ用のフリーソフトはかなりの数があって、一応の用は足りるのだが、それらは概してこうした「不安の解消」に関するユーザーインタフェース設計が雑であるため、インストールしてもあまり使わないことになりがちなのだ。

メニューは大きく「バックアップ」「起動ディスクバックアップ」「フォルダシンクロ」の3つに別れていて、「バックアップ」は単一または複数のフォルダやディスクを、ひとつのディスクやフォルダにまとめてバックアップするときに使う。
重要なファイルを格納しているフォルダをまとめて登録しておき、定期的にバックアップが取れる。

「起動ディスクバックアップ」は、文字通りシステムが格納されているディスクを、そっくりそのまま他のディスクにクローニングする。さらに、Macのリストア用ディスクイメージであるASR形式でバックアップを取ることもできる。これは本来ターミナルでコマンド操作をしなければならない作業だが、PersonalBackup X5ならばGUIでASR形式を指定するだけで済むので、非常に楽だ。

「フォルダシンクロ」は、広い意味でのバックアップであるが、2つのフォルダ内容を同一に保つもので、増えたファイルは増え、減ったファイルは減らすという操作である。

これらに、それぞれ時間指定でスケジューリングができるので、完全自動でバックアップをしてしまうことも可能だ。

バックアップという作業そのものは、有料ソフトウェアを使わなくても、いくらでも可能であるが、削除ファイル復旧ソフトというものが存在しているということは、バックアップのし忘れがあちこちで発生しているということでもある。

パソコンのメタな楽しみとしてバックアップ作業を位置づけてみると、生活が豊かになるであろう。もし予算が潤沢にあるなら、RAID5でディスクアレイを組むという楽しみもあるが、その場合でも別媒体へのバックアップは欠かせない。

知的財産の多くがデジタル化されている現在、賢く楽しく貴重なデータをバックアップしたいものである。
(TechinsightJapan編集部 真田 裕一)