(画像提供:Amazon.co.jp)
(ジャンル:ロック/ポップ)
若い頃元気の良いロックをやっていたミュージシャンが年を取って枯れてきて「大人のロック」になるというパターンは多い。元ワム!のジョージ・マイケルなどが好例である。
しかし、若い頃から枯れたセンスの良いロックをやってきて、年を取っても変わらず枯れているという類い希なミュージシャンがマイケル・フランクスである。
マイケル・フランクスといえば、ポップミュージックのスタンダードになっている「アントニオの歌」が有名であるが、この1曲だけが有名になってしまって、ほかの名作がかすんでいるのは残念である。
そこで、今回は1999年に発表した「ベアフット・オン・ザ・ビーチ」を紹介したい。
現在、マイケル・フランクスの音楽は、スムース・ジャズとかソフト・ロックとか呼ばれているが、彼の音楽は30年前も現在も全く変わらない。
マイケルのアルバムは、ジャズ・フュージョン系のベテランミュージシャンを多く起用しているので、バックサウンドがしっかりしているところに、決して力を入れず、かつ軟弱にもならない、味わいのあるヴォーカルを聴かせてくれる。実に心地よい大人のサウンドだ。
全体的にジャズ・ボサノヴァフィーリングの大きい、明るいサウンドで統一されており、気分が落ち込んだときや、寂しい時間、退屈な時間をオシャレなひとときに変えてくれる。
9曲目の「雨の中を」は、ミュートトランペットの音色が印象的なジャジーな佳曲だ。10曲目はマイケル自らを歌っているような、その名も「ミスター・スムース」である。
若者の車離れが謂われる昨今であるが、マイケルの音楽を聴きながら、郊外へドライブすると、実に心地よい至福の時間を過ごすことができる。デートミュージックにも最適であろう。
(収録曲)
1. 素足で海辺に
2. 心のすべて
3. 終わりのない愛
4. 青春の泉
5. 君が微笑んだとき
6. ダブル・トーク
7. 彼女のささやき
8. スプリング・エイント・ヒア
9. 雨のなかを
10. ミスター・スムース
11. 隠れる月のように
(TechinsightJapan編集部 真田 裕一)