writer : techinsight

【お笑い峰打ちコラム】芸人青田買い Wコロン

 近頃やたらと目につく、チェック柄のジャケットに身をまとった芸人。“伊勢丹”COWCOW・多田ではない。赤のチェックの「Wコロン」である。

 プロデューサーハウスあ・うん所属。チェックのジャケットがボケ担当のねづっち、帽子&眼鏡がツッコミの木曽さんちゅう。2004年結成の若手でありながら、どこか昭和テイストあふれる彼らの十八番は、なぞかけを取り入れた漫才だ。

 木曽のリードで進む中、ねづっちが唐突に『ととのいました!』と割り込む。漫才の流れなどお構いなしに、登場したキーワードでなぞかけを披露するのだ。これがまた見事な出来であり、最近ではすっかりなぞかけ芸人としての地位を築き上げている。

 正直、なぞかけというものは今の笑いにそぐわない。というより、笑いよりも感心に終始してしまう。Wコロンが今ではそこそこの頻度で出演している爆笑レッドカーペットでも、初出演時の手ごたえはさほどでもなかった。事実、昨年10月に行われたレッカペ芸人知名度調査では、彼らのコンビ名を知っているのは100人中9人であった。

 しかし現在、Wコロンの快進撃が止まらない。キャンパスナイトフジ、アメトーーク!、踊る!さんま御殿!!、ペケポン、次々と人気番組に出演し、華麗なるなぞかけを披露している。ねづっちが一人で出ることも多く、新たなじゃない方芸人の誕生の息吹も感じられる。

 じゃない方といえばナイツ・土屋もなぞかけを得意としているが、現時点での第一人者はやはりねづっちである。知名度、ビジュアルともに土屋の方が勝っていると思われるのに、ねづっちの実力が土屋を退けたということか。

 昨年12月にはコンビとして「なぞかけで『脳活』!」を出版。お笑い芸人・Wコロンを知っている若年層はもちろん、知らない世代の目をも引くタイトルは見事だ。もともとなぞかけは誰にでもできる敷居の低いものであるから、脳活という言葉と相まって、ちょっと買ってみようかなという気になってしまう。

 2010年は大喜利がくると予想していたが、一足飛びになぞかけの時代がやってくるかもしれない。もしその時が来たならば、一番の功労者は間違いなくねづっちなのだ。
(TechinsightJapan編集部 三浦ヨーコ)