writer : techinsight

【お笑い峰打ちコラム】S-1バトルが示す新しい可能性

 S-1バトルがおもしろいことになってきた。19日に行われる「S-1グランドチャンピオン2010」に、お笑い三大コンテストの覇者、東京03(キングオブコント2009優勝)、パンクブーブー(M-1グランプリ2009優勝)、あべこうじ(R-1ぐらんぷり2010優勝)を招くというのだ。

 S-1バトルはソフトバンクが主催する、お笑い芸人による動画コンテスト。月ごとに月間チャンピオンを選出し、その中からさらに年間チャンピオンを選ぶという斬新なシステムと、総額2億2千万円の高額賞金が話題となった。

 約一年の開催により、決勝戦の常連となっている、いわばS-1巧者が多く出現している。2度月間チャンピオンに選出されたトータルテンボスはその急先鋒であろう。ドッキリや“やってみた”系など、持ちネタ以外で勝負し結果を残している芸人が多い中、王道の笑いでそれぞれタイトルを獲っている招待枠の3組が、どんな動画を披露するのか興味深い。

 ちなみにパンブー・黒瀬は7月のチャンピオンである次長課長・河本の動画に出演している。漫才日本一に輝く前の、漫才をしていない彼の姿は貴重なので興味があれば見ていただきたい。

 S-1バトルは、通常はソフトバンク社の携帯電話でしか見られず、投票もできない。しかしグランドチャンピオン大会に先駆けて行われている敗者復活戦はニコニコ動画などでも楽しめるようになっており、再生回数が得票に直結するシステムとなっている。さらにテレビ放送されるグランドチャンピオン大会では、ソフトバンク以外の携帯電話からの投票も受け付ける予定だ。

 また、iPhoneでS-1動画を見られるアプリが無料で配信された。Wi-Fi環境下という限定つきではあるが、お笑い好きのiPhoneユーザーならインストールしておいて損はない。すぐにTwitterでつぶやけるようになっているのもポイント。ツイートは直接票にはならないが、間接的な影響は少なからずあるであろう。

 誰もが日常的に使う携帯電話に始まり、動画配信サービスやTwitterまでをも活用したS-1バトル。いわば究極の口コミともいえるやり方で、一億円の価値を持つ動画が選ばれる。お笑いコンテストの審査のあり方が問われる中、S-1バトルが示す新しい可能性に期待したい。
(TechinsightJapan編集部 三浦ヨーコ)