writer : techinsight

【お笑い峰打ちコラム】イキりキャラ全開で一皮向けたノンスタ井上

 M-1グランプリ2008を経て、やや時間はかかったが茶の間でもなじみの存在となったNON STYLE(よしもとクリエイティブ・エージェンシー)。タイトルを獲った瞬間から危惧されていたトーク面の不安は解消されたのであろうか。

 漫才の実力は確かに証明された。しかしトーク力は未知数であり、石田にいたってはアメトーク「人見知り芸人」に出演するほどの人物である。だがノンスタは、思わぬ形でトークにおけるポジションを見い出した。井上の特異なキャラクターである。

 アシンメトリーの髪型。トレンドを取り入れたファッション。一見しただけでは少し外見に気を使っている程度の青年だが、その実かなりのナルシストであるようだ。その一面をトークではことごとくいじられている。

 井上の“イキり”キャラは以前から漫才に取り入れられてきた。だがタイトルを獲ったM-1前後ではその要素を割愛していたように思う。その代わりに石田のセルフツッコミを挿入し漫才をよりキャッチーに仕上げていたのだが、ここにきて再び井上のイキりキャラが盛り込まれるようになってきた。

 コンビとしてもウリであった井上のイキりを一時は封印し、名が知れ渡るようになってから再び解放。これは計算ずくでのことなのだろうか。その真意を知ることはできないが、結果彼らは漫才日本一となり、バラエティでの存在感もなかなかのものになってきている。

 最後に私が衝撃を受けた井上のイキりっぷりを紹介しよう。

 1日、井上はブログのアクセス数を稼ぐためにライセンス・藤原の画像を掲載。藤原は茶の間人気はいまひとつだが、仮にも吉本男前ランキング2009年度1位を獲ったほどのイケメンである。アクセスアップ狙いでイケメンの画像、なるほど理にかなっている。しかし問題はここからだ。

 『そして、さらなるアクセスアップのために、もう1つ!!』。今度はどこのイケメン芸人かと思いきや、そこには井上自身のキメ顔が。要するに、俺かっこいいやろ? である。ちなみにブログのタイトルは「NON STYLE 井上裕介のみんなのアイドルになりたくて」。ネタしろ素にしろ、尊敬に値する。
(TechinsightJapan編集部 三浦ヨーコ)