writer : techinsight

博報堂DYメディアパートナーズ、GPS連動で動画を配信する「ブラタモリ提供ブラアプリ」を開発

iPhoneのヒットアプリの一つであるセカイカメラを凌駕しそうなGPS連動アプリが開発された。
株式会社博報堂DYメディアパートナーズは、経済産業省からの委託を受け、日本放送協会の協力のもと、歴史を感じながら街を散策する番組「ブラタモリ」の番組素材を活用した日本初となる位置情報に連動したiPhone向け動画配信サービス「ブラタモリ提供ブラアプリ」を開発した。

「ブラタモリ提供ブラアプリ」を使うことで、ユーザーは移動しながら配信映像を見ることによって、古地図を片手に歴史の名残を楽しみつつ街をぶらぶらと散策する「ブラタモリ」の楽しさを追体験し、現実に利用者のいる場所に配信映像を重ね合わせる疑似体験をすることで、周囲の街並みに新たな価値を発見することが出来る。

配信映像はマルチ動画変換システム「Rocket Box」に登録された位置情報と、利用者の現在位置に連動してストリーミング配信される。また、GPSと地磁気センサーを活用した方位ナビゲーションによって、利用者が配信された動画を見て行きたいと思った場所までの方向や距離、進行状況を表示することも可能である。

同種の試みは、拠点単位でワンセグ放送電波を発信し、現在位置にまつわる商店街などの耳寄り情報を映像配信する実証実験が行われているが、今回開発されたアプリは歴史学習を目的としたもので、実用化されれば近年の歴史ブーム、幕末ブームと相まって、名手旧跡の旅の楽しさが倍増することになるだろう。

このサービスは番組コンテンツとiPhoneなどの携帯電話を利用したサービスの融合を促進し、生活者への新しいメディア活用の提案として位置づけられるもので、博報堂DYメディアパートナーズが経済産業省の「平成21年度ITとサービスの融合による新市場創出促進事業(e空間実証事業)」を受託し、その一環で実施するものである。

携帯電話やスマートフォンが、マルチメディア端末としてさらなる発展を遂げるものとして、実用化が待たれるところである。
(TechinsightJapan編集部 真田裕一)