writer : techinsight

【名盤クロニクル】チック・コリア&RTF「第7銀河の賛歌」

(画像提供:Amazo.co.jp)

日本のフュージョンバンドの原点ともいうべきアルバムである。現在でも現役で活動しているのはカシオペアとT-SQUAREぐらいになってしまったが、1970年代には多くのロックとジャズの融合クロスオーバーバンドが沢山デビューし、彼らに大きな影響を与えたアルバムである。

チック・コリアという人は、フリージャズからスタンダード、ロック、ラテン、ポップなどあらゆる要素を取り入れる、ある意味存在そのものがフュージョンである。

1970年代前半に彼が率いていたバンド「リターン・トゥ・フォーエバー」は、いずれも高度な演奏技術とアンサンブルで聴衆を魅了したが、1972年の同名義デビュー作と名曲「スペイン」が収録された2枚目のアルバム「ライト・アズ・ア・フェザー」はジャズフィールドのアルバムとして評価が高いのに対して、翌年メンバーを一新して発表した本作「第7銀河の賛歌」は一気にロック色を強め、特にバンドキッズに熱狂的な支持を受けた。

つんのめり型のビートと、フュージョンギターの見本のようなギター、随所に見せるキメ技など、本作に影響を受けたフュージョンバンドは多い。

他のバンド、ウェザー・リポートやハービー・ハンコックなどは、サックスやブラスを用いていたため、アマチュアバンドにとっては、コピーが難しかったのだが、このアルバムでの編成は、ドラム、ベース、ギター、キーボードという典型的なロックフォーマットであるため、アマチュアバンドにとってコピーしやすかったというメリットがあった。

ミュージシャンズ・ミュージシャンという言葉があるが、このアルバムについてはまさしくミュージシャンにとって永遠の名盤と呼ぶにふさわしいだろう。

(収録曲)
1. 第7銀河の讃歌
2. アフター・ザ・コスミック・レイン
3. キャプテン・セニョール・マウス
4. 母船のテーマ
5. スペイス・サーカス(パート1)~スペイス・サーカス(パート2)
6. ゲイム・メイカー
(TechinsightJapan編集部 真田裕一)