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【お笑い峰打ちコラム】“エンタ”終了に思うこと

 エンタの神様(日本テレビ系)がこの3月、7年の歴史に終止符を打つこととなった。理由は「お笑い番組が飽和状態で、視聴率が下がってきた」とのことだ。

 2003年にスタートしたエンタ。当初は歌をはじめとした純正エンターテインメントを提供するバラエティ番組であったが、徐々にお笑い芸人がネタを披露する場へとシフトしていった。それが見事功を奏し、ほどなく黄金期を迎える。

 波田陽区、オリエンタルラジオ、桜塚やっくんなどが番組経由で大ブレイク。しかし春は長続きせず、勢いはゆるやかに減衰していった。そして始まった迷走。むしろここからがエンタの本領発揮ともいえる。

 オリジナリティあふれる芸人のチョイス。積極的にネタに手を入れるイニシアチブ。懇切丁寧な演出。いわゆる“誰得”な路線を脇目もふらず走り続けた。真正面に見据えていたのは過去の栄光か、まだ見ぬ新しい笑いか。エンタがふたたび勢いを取り戻すことはなかったが、その芯の強さには感服である。

 常に視聴者が思う斜め上をかっ飛んできたエンタ。こういったベクトルでの個性を持つお笑い番組は他にはない。視聴率低下を本気で“お笑い番組が飽和状態”だと考えているかは定かではないが、このコメントを聞いて、最後までやってくれたなと私は思っている。

 また、エンタにはテレビであまりネタを見せることがない中堅芸人や、マイナーではあるが実力を持つコント師らのネタを楽しめるという一面もあった。4月以降、彼らのネタをどこで楽しめばいいのだろう。この点だけは本当に惜しまれる。
(TechinsightJapan編集部 三浦ヨーコ)