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【お笑い峰打ちコラム】ジンクスも関係なし オードリー若林の快進撃

 お笑い芸人の茶の間人気の終焉は、ゆるやかな減衰というよりもある時期を境にぷつりと途切れることが多いように思う。その一つの区切りが年末年始であり、数ある特別番組に一通り出演した後にさっぱり見かけなくなった芸人は少なくはない。彼らは文字通り年を越すことができなかったのだ。

 テレビを中心に、特ににわかに人気を得た芸人にとっては、その年を越せるかどうかは重要。そういった意味で今もっとも大事な時期を迎えているのは、昨年大ブレイクを果たしたはんにゃとオードリー(ケイダッシュステージ)であろう。

 はんにゃは思ったより年末年始の露出が少なかったが、彼らはレギュラー出演している爆笑レッドシアターが続く限り安泰である。レッシアはそれほどの力を持っている番組だ。

 ではオードリーはどうだろう。昨年は主に春日のキャラクター性が若年層に受けていたが、今年は名実ともに若林が牽引していくことになるのではないだろうか。

 昨年は“じゃない方芸人”の地位に甘んじてきた若林。それでいながらその言葉が生まれたアメトーーク!への出演は実に6回、この数字は彼が持つ確かなトーク力の裏づけとなる。昨年10月にレギュラー化されたオールナイトニッポンも好評だ。

 若林の笑いのセンスは多くの人が認めるところ。オードリーのネタはすべて彼が書いているのは誰もが知るところであるが、相方を変えてネタを披露するドリームマッチでもきっちり仕上げてくるぶれのなさは見事だ。大喜利日本一を決定するIPPONグランプリへの抜擢など、実力で勝ち得た露出も増えてきている。

 さらにめちゃ×2イケてるッ!の「お笑い芸人歌がへたな王座決定戦」などで見られるバラエティ特有の顔。ネタ重視のお笑い通にとってだけでなく、茶の間目線でも若林はきっちりと笑いが取れている。現状、若林に死角はない。

 2年目のジンクスという言葉があるが、オードリーには無縁なようだ。むしろ勝負は、若林正恭その人がメディアに消費されつくした2011年であろう。個人的には若林という存在をできるだけ長く楽しみたいので、どうか、どうかがんばってほしい。
(TechinsightJapan編集部 三浦ヨーコ)