2009年は、待望のWindows7がリリースされ、MacOSXは地味な改良だったものの、GoogleのChromeOSやAndroidも姿を見せ、まもなく訪れる2010年はPCのOSとスマートフォンOSで様々なサービスが提供されていくものと予想される。
そこで、2010年におけるパーソナル分野とエンタープライズ分野で、どういった現象が起きるかについて、予測を立ててみることとする。ネット上には様々な予測がなされているので、本稿もそのうちの一つとお考えいただきたい。
(1)Google日本語の普及による文章作成スキルの変化
年末に登場したGoogle日本語入力システムは、携帯電話の入力ではなじみ深いものであり、いずれPC用にも移植されることは予想されていた。
これまでATOKに代表されるような長文一括変換の精度や語彙の豊富さは、インターネット上で集積されたキャッシュで補完されるようになり、単語用法先読み変換をフル活用した入力方式をいわゆる「ケータイ世代」が支持。パソコン世代と呼ばれる40代以上との間で、文章作成スキルの微妙な違いが見られるようになる。
(2)USB3.0とSATA3による足回りの改善
対応機器がまだ少ないが、規格はすでに発表されており、自作系ユーザーの間ではそれらの性能を最大限に発揮すべく、足回りの抜本的な改善が図られる。
理論値と実測値の差異をどれだけ縮められるかについて、これまで研鑽した技術が試されることになろう。
(3)Google ChromeOS端末の登場
ネットブック向けOSという点では、2008年~2009年初頭の段階でLinux採用の端末が登場したものの、普及には至っていない。パソコン価格を引き下げる試みは、これまでLindows(Linspire)やUbuntu搭載PCなどで実験的に行われていたが、現在Windows7が走る低消費電力かつ高解像度軽量端末が6万円前後で販売されているため、Chrome搭載端末が出てもコストメリットはほとんどない。通信キャリアとのタイアップを利用すれば、いっそうである。
またWebOSという考え方は10年以上前からあるもので、Googleがよほど画期的なWebサービスを囲い込みで提供しない限り、2010年はまだデジタルガジェット好きの実験用PCの地位に甘んじるであろう。
(4)Android採用スマートフォン
現在、iPhoneの独走状態にあるスマートフォンであるが、AndroidであってもiPhoneであっても提供されるアプリの内容や性能にそれほど変わりはない。ただ、AndroidはいわゆるJBされた状態で提供されるため、テクニカル系ユーザーの評判は上がるが、一種のカオス状態になり、一般への浸透はまだ先になると思われる。
その他、2TBクラスのハードディスクが普及価格帯に入り、SSDの採用が広がり、64ビット化への移行が進み、タッチインタフェースを全面採用したアプリの登場するなどが予想として挙げられるが、すでに生活必需品となっているPCや携帯電話、スマートフォンの今後の展開は性能は、いかにスタイリッシュな作り込みとマーケティングをするかにかかっているであろう。性能や機能は十分に足りているからである。
(TechinsightJapan編集部 真田裕一)