M-1グランプリ2009の優勝者がパンクブーブー(よしもとクリエイティブ・エージェンシー)に決定した。結成9年目で悲願の決勝進出、そして優勝。彼らの足跡は細く長く、だが確実に輝く今に続いていた。
パンブーの出演順は8組。場の温度を考えるとけっして悪くはないのだが、今年は笑い飯がすごすぎた。オリジナリティあふれる“鳥人”ネタで、その日初めてといえるほどの爆笑を巻き起こす。島田紳助が100点をつけるなど、今年こそきたか、と誰もが思った。
パンブーの1本目は十分な出来であった。緊張は見えたものの序盤から安定しており、“無駄な時間”のくだりで完全に観客を味方につける。そこからは笑いが途切れえることがなく、笑い飯に食らいついて2位を獲得。見事最終決戦に残った。しかしこの時点での評価は圧倒的に笑い飯が上であったろう。
上位3組だけが2本ネタを披露するM-1のシステムは、なかなか曲者である。どちらによりよいネタを持ってくるかが重要になってくるのだ。その点でM-1常連の笑い飯が、ファイナル初出場のパンブーに遅れを取った。
パンブーの1本目はいわば自己紹介。彼らを知らない人でも楽しめるような、本当にわかりやすく、かつ要所要所にパンブーテイストを取り入れたものだった。笑いどころはここですよ、と丁寧に説明するような漫才はホスピタリティにあふれ、その場で新たにファンを増やす。そして万全の態勢で2本目に突入した。
クオリティは1本目とほぼ同等だが、場の空気が明らかに違う。観客、審査員ともにパンブーの漫才を楽しみしており、笑う準備ができていた。最終決戦での圧勝は、1本目が終わった時にすでに約束されていたと言ってもいい。
結成9年目にしてついにつかんだ栄光。パンブーのこれからの活躍が、今から楽しみである。
(TechinsightJapan編集部 三浦ヨーコ)