8年連続8度目のM-1グランプリファイナル進出を決めた笑い飯(よしもとクリエイティブ・エージェンシー)。さらりといってしまったが、8年連続というのは本当にすごい記録である。
8年は長い。幼稚園児が中学生になってしまうほどの年月である。この8年の間にどれだけのお笑い芸人がブレイクしては消えていったか。それでも笑い飯はまるで専用席が設けられているかのように、M-1ファイナルへの切符をもぎ取り続けてきた。
これまでは笑い飯=Wボケのイメージが鉄板だったであろう。しかし今年は、その上をいく強烈な印象が染みついている。中学の時イケてなかった芸人、だ。
昨年アメトーーク!のプレゼン大会から生まれた「中学の時イケてないグループに属していた芸人」。サバンナ・高橋を中心とした該当芸人たちのトークは、そのおもしろさとせつなさで大反響を呼んだ。
アメトークがギャラクシー賞を受賞した原動力ともなったこの企画に、笑い飯・西田は参加している。特に初回のインパクトはすさまじく、くさりかたびら着用のエピソードなどで爆笑を巻き起こしていた。
知る人ぞ知るWボケから、中学の時イケてなかった人気者に変貌を遂げた笑い飯。それは漫才に対する注目度にも少なからず影響を与えているに違いない。
アメトークではじめて笑い飯を知ったという人には、ぜひM-1を見てもらいたい。制服の下にくさりかたびらを着るような中学生が十数年の時を経て日本一の栄冠に手を伸ばす雄姿は、多くの人に勇気を与えることだろう。
コンビ結成から10年以下というM-1の参加規定のため、今年がラストイヤーとなる笑い飯。今年こそ、今年こそと言われ続けた7年間のすべてを、会場の審査員、観客、カメラの向こうにいる視聴者に見せつけてもらいたい。
(TechinsightJapan編集部 三浦ヨーコ)