ついに、と言おうか。ようやく、と言おうか。東京ダイナマイト(よしもとクリエイティブ・エージェンシー)がM-1ファイナルの舞台に帰ってきた。
東京ダイナマイトの決勝進出は2度目。彼らがはじめて決勝の舞台を踏んだ時の覇者はアンタッチャブルである。あれから5年、アンタはバラエティ番組には欠かせない存在となった。
一方の東京ダイナマイトは8位だったものの、それ以前とは比べものにならないほど注目度が上昇。しかしながらテレビの笑いを良しとせず、地道に、しかし着実に舞台をこなしていった。所属事務所を変えたり、フリーになったり、彼らはしばし流浪を続ける。
そして今年9月、よしもとに落ち着いた。その途端のファイナル進出について口さがなくおっしゃる方々はいらっしゃるかもしれないが、そんなものは放っておけばいい。舞台こそ彼らが選んだ道であり、M-1もその一つでしかないのだから。
ところで、“麒麟枠”をご存知だろうか。記念すべきM-1第1回でまったくのノーマークのまま決勝まで駆け上がった麒麟に由来する、ダークホースを指す言葉である。
東京ダイナマイトの決勝進出を知った時、失礼ながら“サンド枠”という言葉が浮かんだ。確かな実力を持ち、目立たないながらも着実に活動を続けてきた姿勢。長い長いトンネルの向こうに決勝が待っていたかのような現況が、まるで2007のサンドウィッチマンのようだと直感したのだ。
サンド・伊達がハチミツを中心とする“二郎会”の一員であったり、コンビとしてもコラボDVDを出すなど親交の深い2組。ポップなお笑いブームに乗っていないことや風貌など、2組にはどことなく共通点があるように思う。
後輩であるサンドが先んじて得たM-1チャンプという栄誉を、東京ダイナマイトも手にすることができるのか。そしてハチミツの言う『M-1の舞台に忘れ』たものを、無事回収することができるのか。
(TechinsightJapan編集部 三浦ヨーコ)