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【お笑い峰打ちコラム】子煩悩だっていいじゃない 松本人志の変貌

 「ダウンタウン」松本人志(よしもとクリエイティブ・エージェンシー)が電撃的に結婚を発表してからおよそ7ヶ月。10月に生まれていた長女の名前は明らかにされていなかったが、6日放送の「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!」(日本テレビ系)で発表した。

 その日のガキ使は1年9ヶ月ぶりの、スタジオに観客を入れてのトーク。番組20年の歴史を支えてきた、派手さはないがダウンタウンのおもしろさが凝縮されたコーナーである。開口一番、浜田の『結婚したな』に、松本はこう答えた。『その話がいややからトークしたないねん!』。

 結婚を発表してからの松本の変貌ぶりは、各所で話題となっている。しかし、その変化にもっとも驚いているのは松本自身のようだ。

 番組でも結婚生活や子どもについてはのらりくらりとかわしていたが、浜田するどいツッコミに押されてぽつりぽつりと話し出す。汗だくでときおり照れ隠しのようにボケをはさみ、それがかえって良き夫、良き父の印象を強めていた。そしてついには名前の発表と相成ったわけである。

 以前の、まるで生活感がない孤高のお笑い芸人といったイメージから、すっかりやわらかい印象になった松本。それでも、ただ結婚した、子どもが生まれたとデレデレ話す他の芸人に比べ、リリースの仕方はやはり格段に上のように思う。

 幸せな家庭を持ったからといって、松本自身がつまらなくなったわけではけっしてない。子煩悩だっていいではないか。日本で有数のおもしろい芸人が、日本で有数のおもしろい父親の顔も持った、それだけのことである。
(TechinsightJapan編集部 三浦ヨーコ)