writer : techinsight

【映画行こうよ!】”妹”より”姉”より。”フツーの女子”が一番お似合い長澤まさみ。『曲がれスプーン』。

持ち前キャラである“妹萌え”を狙ったドラマ『ぼくの妹』(TBS系)や、映画『群青 愛が沈んだ海の色』の惨敗、 「妹」から「姉」に途中で変わってしまったNHK大河『天地人』では、明智光秀(鶴見辰吾)の首を絞める衝撃映像と、2009年イメージを七変化させた長澤まさみ。そんなまさみタンを救済しようと、東宝が仕掛けた最新主演作品『曲がれスプーン』。普通の女子を演じる長澤まさみって、結構いいかも。

超常現象バラエティ『あすなろサイキック』の女性AD桜井米(長澤まさみ)は、幼い頃から超常現象を信じており、時たまスプーン曲げに挑戦している。ある日番組プロデューサーから視聴者からの情報を頼りに超常現象やエスパーを探してこい!と命令され、カメラ片手に意気揚々と日本全国を旅して回る。しかし、毒グモに刺されても大丈夫?という奇人変人男(寺島進)など、実際視聴者からの情報はインチキばかり。落ち込む米が最後の取材場所として向かった先は、『カフェ de 念力』という喫茶店。クモ男の撮影でトラブルがあり、少々遅れてしまったが“ある人物”と会うために『カフェ de 念力』を訪れた米。そこで出合った心優しき男性たちは・・・・・。

クリスマスにぴったりの可愛らしいストーリーに、大荷物をひきずって奮闘する長澤まさみがキュート。舞台を中心に活躍するキャストによるエスパーたちは、見た目はイケメンじゃないんだけど、きれいな心で超常現象を信じている米を温かく見守り、ナイトのように彼女の願いを叶えてあげようとする。

舞台劇の映画化であるため、多少展開がまだるっこしいが、ラストのつじつま合わせがよく出来ていて、不処理が原則の演劇から生まれた作品にしては、スッキリと見る事ができる。知る人ぞ知る”パフェおやじ”、『東京DOGS』(フジテレビ系)出演中の志賀廣太郎による『カフェ de 念力』マスター早乙女と、岩井秀人演じる「細男」神田のくだりがおもしろい。
(TechinsightJapan編集部 クリスタルたまき)