現在、偽物のウィルスソフトの押し売り被害が多発している。初心者ユーザーが自分の使っているウィルスソフトの正式名称をきちんと覚えていないことを逆手にとって、本物そっくりの偽物ソフトを強引にインストールして、不正に金を要求するというものだ。
今も昔も、初心者にとってパソコンは謎の機械である。適切に助言できる友人がいてくれればよいが、「何もしていないのにパソコンが変になったぁ」と泣いて相談されてもどうしてよいのかわからない。
そこで、このPCchk2というツールを使って自分のパソコンがどういう状況になっているのか徹底的に洗い出して、その結果をメールすれば友人はすぐに対処することができる
PC環境確認プログラム – PCchk2は、自分のソフトウェア・ハードウェア環境がどうなっているかを洗いざらいリストアップするツールだ。
特に重要なのがパッチ(修正プログラム)の適用状況である。現在のパソコン環境は、昔のようにOSとアプリケーションという単純な構造ではなく、.NET FRAMEWORKやAdobe実行環境など、様々な実行環境がインストールされていて、その上でアプリケーションが動作するのだ。
そして、この実行環境の脆弱性がセキュリティホールとなりがちなのである。しかし PCchk2を使えば、各更新プログラムがどこまでインストールされていて、現在のバージョンはどうなっているかを一覧することができる。
これをベンダーの情報と照らし合わせて、必要な更新処理を行うことができる。
そして、冒頭に紹介した偽ウィルスソフトも、このリストで判明する。一つのパソコンに2種類以上のウィルスソフトがインストールされることは通常あり得ない。もし発見されたら、どちらかが偽物である可能性が高い。
ある程度の知識を持ったユーザーなら、自分のパソコン環境がどうなっているかを、システム管理者気分で査閲することができる。これはこれでなかなか楽しいものなのだ。
少なくとも、ウィルス対策ソフトのチェック機能をオフにするなどの、誤った「裏技」をマスターするより、何十倍も有意義なことであろう。
(TechinsightJapan編集部 真田裕一)