今回の【ドラマの女王】は向井理主演の『傍聴マニア09〜裁判長!ここは懲役4年でどうすか〜』(日本テレビ系)。『アタシんちの男子』(フジテレビ系)から始まって、女性誌ananでヌードになったり、今クールではこのドラマとNHKの演劇ドラマ『ママさんバレーでつかまえて』(黒木瞳主演NHK)とかけもち中。さらに来年3月からスタートするNHK朝ドラ、『ゲゲゲの女房』にも出演の予定。このノリにノッテル向井理の連ドラ初主演。爽やかキャラの向井君、オバサンはいまいち小出恵介と区別つかないんだけど。
原作は、孤高の変人?フリーライター北尾トロ氏によるエッセイ。北尾氏は、裁判傍聴を重ね、それについての著書を多数執筆している。これをやり始める前は、サブカルチャーや一風変わった人を追ったような文を書く人だったのだが、裁判員制度がスタートしたこのご時勢、すっかりこの分野で知られるようになった。『傍聴マニア09〜』はマンガ化を経てドラマ化。貧乏くささがウリだった北尾氏も、すこしは儲けたろう。
そんな北尾氏のエキスがたっぷり浸み込んでいる『傍聴マニア09〜裁判長!ここは懲役4年でどうすか〜』。の主人公の北森夫(向井理)27歳のフリーターは、ひょんなことから傍聴の魅力にとりつかれる。この役多分北尾氏自身。向井理じゃカッコよすぎ?まあいいけどこの森夫が、21歳のカワイイ法学部の女子大生の美和(南明奈)と、ナゾの45歳・エロい事件専門のお兄さん?山野鳥夫(六角精児)とで裁判を傍聴し、事件を法廷から追うというストーリーだ。
第2話でジンとした事件、薄幸の女性が、元不倫相手を脅し350万円を要求し逮捕された事件の公判。落ち着いた老弁護士は、犯人である女性がいかに不倫相手の男性に人生を狂わされたかを、みんなに上手く伝わるように話かける。裁判や弁護もテクニック次第でいかようにも変わる事を若い森夫の目を通して見せ、また短絡的な怒りで人を判断してはいけない事も諭す。森夫の目はドラマを見ている全ての人の目でもある。
一見難しい「裁判モノ」を肩の凝らない探偵モノのノリで見せるドラマ作りは悪く無い。その雰囲気に、向井理と六角精児とアッキーナのユルイ感は、ピッタリとマッチしている。ananのオール・ヌードで女性たちのセックス・シンボルみたいになっちゃってる向井だが、普通の男の子を演じれば至ってフツー。表情も無理に作ってないから森夫は素に近いのかもしれない。
(TechinsightJapan編集部 クリスタルたまき)