writer : techinsight

【金融ブラック・コラム】「懐中電灯で昼食」「いつ後ろから刺されるか不安」「社員に借金させる」。本当にあった「ブラック企業」。

(C) 2009 ブラック会社限界対策委員会

2ちゃんねるに書き込まれた実話がベースになっている『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』が映画化されるにあたって、全国に蔓延する“ブラックな会社”の実態調査に踏み切った編集部。映画の主人公・マ男(小池徹平)は複数のブラック要因に襲われたが、今回お話を聞いた社会人の方々のブラック要因は1つでも強烈。ブラック企業まではいかなくても、世知辛い日本の会社事情を表わしている。現在就職活動中のみなさん!この時代、「会社の一寸先は闇」ですよ。

記者:「まずはOLたちの感じたブラックぶりから、ブラックらしく、会社で飲むコーヒーについて。」

Kさん(流通・事務職、25才、派遣社員、入社半年):
「原価30円のオフィスコーヒーを、従業員には一杯100円で売りつけるウチの会社。温かい飲み物を水筒に入れて持っていくと、ドケチ社長が『Kちゃん、お茶持って来てるの?少しは会社に貢献してよ。』だって。自分はタダで飲んでいるくせに。」

記者:「毎日の事だから腹が立ちますね。次は上司の“ゴマすり”が思わぬ事態に。」

Tさん(リフォーム会社、受付、22才、入社3年目):
「上司のゴマすりから出た『経費削減案』で、昼休み社内は照明を消す事に。社内でお弁当を食べる私たちは真っ暗で何を食べても美味しくないし、食後に読書も出来ない。仕方ないから懐中電灯で顔を照らして怪談で盛り上がっていたら、そこに運悪く“お客様”が来社。女子社員のキモい「怖顔」を見られてしまった。」

記者:「OLさんも大変ですね。次は“IT関係35才定年説”を信じる会社の地獄です。」

Mさん(IT関連、33才、入社5年目):
「『IT関連の仕事の定年は35才。』という説を本当に信じているウチの社長。古い社員を“年齢を理由に”クビにして、新卒を採用。でも設備は新しくしないから学校で最新の技術しか学んでない新卒を、一から“古いやり方”で教えなければならない。僕はパワハラ上司と若い子の間で板ばさみで円形脱毛症になった。そして僕もあと2年でタイムリミットが・・・・。」

記者:「お気の毒です。次は、ウソのようなコワ~いお話。」

Kさん(建設コンサル会社、経理、31才、入社8年)
「会社の経費を使って飲みまくっていた営業課長が、カネを使うだけ使ってドロン。課長の言うとおり、交際費を前貸ししていたら、経理の俺にまで『横領』の疑いがかかった。見てみぬフリだった部長は一切お咎めなし、こんなのありえない。」

記者:「さらにコワ~いお話。」

Rさん(24才、入社2年目):
「ウチの会社は、仕事とってこないと交通費を払わないため、いつも中途採用の営業マンが頭に血が登って会社を辞めてしまう。彼らが回った顧客リストのみが会社に残るので、そこを徹底的に社員が回る。最初っから取引先の担当者の洗い出しをする為に使い捨ての営業マンを雇っているワケ。いつ後ろから刺されてもおかしくない状況に社員は内心ヒヤヒヤ暮らしている。」

記者:「みなさん、大変な思いで働いているんですね。最後は、若者を食い物にするさらにコワ~い話。」

Yさん(フランチャイズ、営業、23才、入社3ヶ月で退社):
「アルバイト情報誌に『月収100万円も夢じゃない。』などと謳い、なにも知らない若者たちを集めて提携の『商工ローン』から多額の借金を背負わせ、“のれん分け”する悪質フランチャイズ会社。僕以外の社員はみんなこの『汚い手口』の被害者で、こんどは人をだまして「月収100万円」を目指している。(ま、ウソじゃないんだけど・・・・)」

ここまで聞いて、就活に燃えていた学生諸君は「働くのが怖い。」と感じるでしょう。しかし、ここに記載されている事実は社会に蔓延する『ブラック企業』のほんのごく一部。現実はもっとひどい場合さえあります。すでにブラック企業にお勤めの方は「ブラック企業のやり方にマヒしてしまう」か、「なにか方法を見つけてブラック企業から抜けだすか」のどちらかを選択する必要があります。が、なるべくなら後者を選びたいもの。元ニートのプログラマー・マ男くんが苦悩するストーリーは、職場モラルが低下する日本になるべくして生まれたもの。映画にもあるが、サラリーマンが明日を見出すヒントは人と解りあう事と自分が変わる事。自首退職やリストラの憂き目に遭う前に一度考えてみよう。
(TechinsightJapan編集部 クリスタルたまき)