「来年で37歳」と実年齢を公表したGACKT。数々の事業に失敗したと言われる彼は、今年ますますコスプレ化が進み、『小悪魔ヘヴン』で女装、仮面ライダー、と来て故市川雷蔵の当たり役だった「眠狂四郎」を舞台で演じる事になった。なりふり構わぬ仕事への飛びつきようだが、GACKTの眠狂四郎は、NHK大河ドラマ「風林火山」で演じた上杉謙信役ほど、時代劇ファンを喜ばす事が出来るであろうか。
今年6月、「小悪魔アゲハのキャバ嬢風」にコスプレしたライブを紹介したミュージックステーションのGACKTはいつになくサービス精神旺盛。王子様よろしく大きく手を振り、ちょっと違いカワイイ感じに変身していた。その際のトークでも、「ライブで行った地方でお年寄りに(上杉)謙信さまと声をかけられる事があり、(夢を壊しちゃいけないので)武者言葉で返す。」と言っている。ビジュアル系アーティストだったGACKTの人気も、今や国民的。NHK大河ドラマ「風林火山」出演の影響は大きい。また『劇場版 仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー(2009年、東映) 』 にも結城丈二役で出演し、子どもたちにまで知られる存在に。もうニヒルを気取っている場合ではない。
しかし、今回GACKTが演じる「眠狂四郎」の舞台。時代劇オールド・ファンからははたしてGACKTのもつ中性的な魅力は「眠狂四郎」にふさわしいのだろうか?と疑問の声が上がっている。
若くして世を去った大映の大スター市川雷蔵の一番のはまり役がこの眠狂四郎。華麗な円月殺法と、大人向けのエロチシズムで大人気を博したシリーズ映画である。最大の見所が007シリーズみたいに登場する女忍者やら腰元やらの「狂四郎ガール」との絡みだ。ガール達が眠狂四郎と絡み、彼を好きになっては死んでいくという、もう40年以上前の作品だが、けっこう過激でエロいパターンが売りだった。今思うと、片岡孝夫(現・片岡仁左衛門)主演のテレビ版(テレビ東京)もとんでもなくエッチだった。眠狂四郎は「剣さばきも肉欲も二刀流」という今で言う“超肉食系男子”なのである。たとえ舞台でも女優との“濃い絡み”シーンは避けられないと思うのだが・・・・。
くしくも、歌舞伎役者から映画俳優に転向し、大成功をおさめた市川雷蔵が直腸癌で亡くなったのが37歳。本人は言いそびれたと言っているが、「来年で37歳」で実年齢36歳を公表したGACKTはキャリアから言うと年相応だが、それだけの“男”の魅力を見せられるだろうか。
(TechinsightJapan編集部 クリスタルたまき)