「かなり酔いが回った友松監督。」
阿佐ヶ谷ロフトAで8月に行われた映画完成イベントより。
若い人妻の“エロ妄想”が炸裂するホラーサスペンスの超問題作!『闇のまにまに』(友松直之監督)が現在公開中だ。『吸血少女VS少女フランケン』(川村ゆきえ:主演)では、西村喜廣・特殊造詣監督と共に脚本と監督を担当した友松直之監督。両作品の原作者である漫画家の内田春菊は、なんと友松監督漫画家志望時代の恩師。映画完成イベントでは、内田春菊と中村うさぎ両女史に頭が上がらない監督なのであった。
ホラー、アクション、任侠など様々な男性向けジャンルの映画制作に関わり、今最もアクティブに疾走を続ける監督の一人である友松直之監督。その友松監督が血気盛んな若かりし頃、漫画家アシスタントとして修行していたのが人気女流漫画家の内田春菊事務所。志なかばで事務所を去り、漫画家としては開花しなかった友松監督は、時を経て「映像」という形で「師・内田春菊」の世界を表現する担い手となった。
『闇のまにまに』のストーリーを少し。夫とセックスレスを抱える25歳の人妻・彩乃(琴乃)は、日常に刺激が欲しくて始めた訪問販売の仕事で知り合ったトップセールスマンの西条との不倫妄想に駆られる。ある日、訪問先のドア越しに見た世にも美しい“手”が眼に焼きつくが、次第に女の幽霊が彩乃に忍び寄り・・・・・。倦怠期の若い人妻の肉体の疼き、職場の男との不倫願望、女の幽霊、そしてしたたり落ちる血。女のエロティックな妄想は常に「死」と隣り合わせなのか。エロティック・ホラー要素満点の映画であるが、セクシーアイドルからドラマ・歌手にまで活動を広げている琴乃の鋭い演技でサスペンス映画として見ごたえのある仕上がりになった。
それもそのはず、『闇のまにまに』の原作漫画は、リアルな現代女性のセックス・ライフや生々しい女性心理をサラリと描く人気女流作家・内田春菊の作品。幅広い年齢層の男女に支持されている内田春菊ワールドは、彼女の愛や葛藤とともに前進してきた波乱万丈な生き方がベースになっていて、たとえホラー作品であっても家族や恋人、友人など「人」との関わり合いが濃く表現されている。
そして約20年前、ささいな事情で内田春菊事務所を去った友松監督。ハードな漫画家の本業以外にも歌手や女優などアーティストとしても活躍する内田春菊センセイの迫力に、いまだかなうハズもないのである。この日は、ゲストで人気作家の中村うさぎ女史とともに「男女の妄想の違い」について論争。映画以上に過激な女性陣の妄想にタジタジの男性陣。“4児の母”でもある恩師・内田春菊の熱唱「スパイス・ルンバ」も飛び出し、楽しい夜となった。
冒頭写真は・・・・。
「4児の母にして、色っぽい内田春菊女史。(左は作家の中村うさぎ)」
阿佐ヶ谷ロフトAで8月に行われた映画完成イベントより。
(TechinsightJapan編集部 クリスタルたまき)