1990年代、下働きビジネスマンの仕事のかなりの部分を占めていた用務は、「あのときのあの書類がどこにあるか探してこい」という業務命令をこなすことだった。社員総出で文書保管庫にカンヅメになって必死で探したものである。
現在は、電子化されている文書をいかにして瞬時に探し出せるかが、ビジネススピードの雌雄を決する。書類がすぐに探し出せれば、次のアクションを考えることができるからだ。時は金なりである。
そうした検索を可能にするソリューションが「エンタープライズサーチ」と呼ばれるものだ。
株式会社イグアス、株式会社ジャストシステム、および日本アイ・ビー・エム株式会社は本日、ジャストシステムの次世代の企業内検索エンジン「ConceptBase Enterprise Search」と、IBMのx86サーバー「IBM System x 」を組み合わせた、ユーザーによる容易な導入が可能なアプライアンス・ソリューション「ConceptBase Enterprise Search BOX」の販売を開始することを発表した。
「ConceptBase Enterprise Search BOX」は、ユーザーの利用目的に応じた正確な情報の検索、活用を実現する、次世代の企業内検索エンジン・ソリューションである。
高度な日本語解析やビジネス文書解析により、テキストデータはもちろん、表計算データ、PDFやWebページまで幅広い文書フォーマットに対応し、かつビジネス文書の持つ構造や文脈、意味の違いなどを判別した、高度な日本語検索が可能だ。
また、検索対象データの保管場所も、ファイルサーバーやWebサーバー、リレーショナルデータベース(RDB)やLotus Notes など、幅広いプラットフォームやアプリケーションに対応している。さらに、「ConceptBase Enterprise Search BOX」を既存のシステムに追加するだけで、接続された対象システムの文書を串刺しでの検索が可能になる。検索対象の追加やテラバイトを超えるデータ容量の増加にも容易に対応する拡張性も備えている。
特定担当者の専用ディレクトリに置いてあるプレゼン資料も、共用サーバに保管してある見積書も、ミーティング記録も全て横断的に検索して「あの案件」と「この成功事例」といった直感的なワードで検索することができる。
価格は360万円(税抜)となっており、決して安い価格ではない。しかし、これは文書の電子化とセットで導入するときに、投資金額以上のリターンを得ることも不可能ではない。
すなわち、社員総出で参考資料や参考となりそうな資料を手作業で、ある者はファイルサーバ内を探し回り、別の者は文書保管庫でファイルをめくって探し出すという大変な労力が一切不要になるからだ。
上司の号令から15分以内に参考資料を全て取りそろえることができれば、その日の内に作戦と対策を考えて、次のアクションに移ることができる。営業が取ってきた見込客に対して、いち早く成功事例を提案し、商談を進めることが可能となるだろう。
本アプライアンス・ソリューションは、イグアスならびにイグアスのパートナー経由、およびジャストシステムならびにジャストシステムの販売代理店経由で販売する。また、顧客からの問い合わせ窓口は、イグアスが提供する。
(TechinsightJapan編集部 真田裕一)