近年のウィルス犯罪のトレンドは、従来型の「ウィルス」「ワーム」といった自己増殖系のものは下火となり、トロイの木馬と呼ばれる潜伏型の犯罪ソフトウェアとスケアウェアと呼ばれる偽ウィルスソフト(ウィルスに感染したという偽のメッセージを表示して偽物のウィルスソフトを押し売りする)が猛威を振るいつつある。
こういった偽ソフトをインストールしてしまえば、PCを乗っ取られ、自分の名義でさまざまなコンピューター犯罪に利用されるおそれがある。
トロイの木馬の対策は「本物の」ウィルス対策ソフトに任せる必要があるが、偽ウィルスソフトを一掃するフリーソフトが提供されているので今回はそれは紹介したい。「Remove Fake Antivirus」 である。
本ソフトは、PC内に偽ソフトがないかチェックし、見つかればそれを削除することができる。現在のところ27種類の偽ソフトに対応しているので、PCの動作が不審な場合は試してみるとよいだろう。
特にパソコン初心者にオススメしたいツールである。というのも偽ウィルスソフトが仕掛けられるきっかけとなるウィルススキャン画面は非常に巧妙にできており、その画面で「ウィルスが発見されました」というメッセージを出されれば、パニクってしまうことが多い。
そして、促されるまま偽のウィルス対策ソフトを導入してしまうということになる。
そして、特に気をつけておくべきこととして、自分のパソコンに導入されている本物のウィルス対策ソフトのメーカー名を知っておくことと、一度はスキャン動作をしてみて、本物のスキャン動作画面がどのようなものか知っておくことが必要である。
見たことのないウィルスキャン画面が表示されれば、それは偽物だということを知っておこう。
(TechinsightJapan編集部 真田裕一)