writer : techinsight

【名盤クロニクル】楽園サウンド!orange pekoe「Organic Plastic Music」

(画像提供:Amazon.co.jp)

(ジャンル:J-POP)
1990年代後半は、J-POPというジャンルが成熟するとともに、関西系アーティストの躍進が目立った時期だった。
bird、EGO WRAPPIN’ BONNIE PINKなど個性的なアーティストを輩出している。その中でも同じく関西系のorange pekoe(以下「オレペコ」)は、それまでのJ-POPにはなかった明るい楽園サウンドで新鮮な感動を与えた。そのデビュー作が「Organic Plastic Music」である。

日本のポップで、ラテン系サウンドを追求すると、往々にして温泉街のサンバ・カーニバル風になってしまうか、70年代のフュージョンのようにイージーリスニング風になってしまうか、あるいは小野リサなどのようにボサノバそのものをやるかというパターンになることがほとんどだ。

しかし、オレペコは、非常にこなれたラテン・ジャズアレンジを見せながら、洋楽のモノマネになることなく、J-POPという基本を崩していない希有なユニットである。

なお、フロントヴォーカルであるナガシマトモコのヴォーカルスタイルは、先輩である吉田美和の影響をかなり受けている。ラテンサウンドとJ-POPの不思議な融合は、彼女のヴォーカルスタイルによるとことろが大きい。

ライブでは、ジャズ・ラテン系の強者セッションミュージシャンを従えて、素晴らしい演奏を披露している。そのためいわゆる玄人受けもよいユニットである。

オレペコが成功した理由は、繰り返すが90年代後半~2000年代前半という時節にデビューしたことが大きい。

というのも、2000年代後半以降は、音楽の主要なリスナーである若者の関心が、音楽からケータイに移ったので、これからの音楽界はケータイ(ネット)よりも楽しいサムシングを提供しなければならないという厳しい時代になっている。

歌姫のデビューが相次いでいるが、彼女たちの歌う「そばにいて」「忘れないよ」「強くなれる」といった定番の言葉なら、友達からメールで受け取った方が嬉しいに違いない。

オレペコの二人も30代を迎え、ミュージシャンとしてはますます円熟していく年代である。J-POPの牽引役として、ますます頑張って欲しいものである。

(曲目)
1. Introduction
2. 愛の泉
3. 太陽のかけら
4. アダジオ
5. 12ヶ月
6. Happy Valley
7. サンクチュアリ
8. 記憶
9. やわらかな夜
10. ONE AND ONLY DAY
11. bottle
12. 深街魚
13. LOVE LIFE
14. tiny,baby
(TechinsightJapan編集部 真田裕一)