ITシステムは「所有から使用へ」のシフトが進んでいると言われ、自社内で運用していたシステムを外部にホスティングしてインターネット経由で利用するのが、昨今のトレンドではある。

しかし一朝一夕に全てSaaS/クラウド化が行えるはずもなく、外部運用と自社運用のシステムが混在して、IT部門はユーザーのID管理などの認証機構が複雑になる傾向がある。
そうした問題点を解決するデモンストレーションとして、株式会社クレメンテックと日本ヒューレット・パッカード株式会社（日本HP）は、ID管理や、認証、アクセス制御、シングルサインオン（SSO）等、複数のベンダーが提供するセキュリティサービスをクラウドコンピューティング環境で体感でき、動作確認や検証も行うことができる「IceWallクラウドデモセンター」を開設する。

ユーザー企業のメリットとして、企業での一般的なクラウド環境を想定し、IceWallクラウドデモセンターに参加する全てのISVが提供する認証基盤、ID管理基盤などのセキュリティソリューションのデモンストレーションが体感できる。

各セキュリティソリューションの購入前にクラウド環境でのソリューションのデモを行うことで、ソリューション購入後に迅速な環境設定が可能である。

一方、参加するISVのメリットとして、ネットに接続しているパソコンが1台あれば、どの場所ででもデモンストレーションを顧客に見せることができるようになる。

新しいセキュリティ関連ソリューションの追加および削除が簡単に行えるため、柔軟に顧客の要望に合わせたデモ環境を用意することができる。

参加する他のISVのセキュリティソリューションと自社ソリューションとの連携に関する動作確認、検証、デモなどが柔軟に対応できる。連携ソリューションの展開などにより販売機会の増加を図ることもできる。

今回のデモセンターの開設により、ユーザー企業や参加ISVは自社に実機を準備することも、社外に出向くこともなく、希望の場所で手軽にセキュリティソリューションを体感し、動作確認や検証を行うことができるようになる。

これから、自社システムをSaaSに移行したいが、セキュリティをどのように確保するか、ID管理や認証基盤を複雑にせずに、透過的な運用を行うにはどうすればよいかなどが、自社のパソコンから体験しつつ、検討することが可能となる。
（TechinsightJapan編集部　真田裕一）