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TBSラジオ、デジタルコンテンツ販売プラットホームシステムの稼働を開始

ネット動画やポッドキャストなどの新しいコンテンツ配信は、現在のところ、一般ネットユーザーのボランティア配信が主流であるが、重要なコンテンツホルダーであるテレビ局・ラジオ局が積極的にコンテンツを配信し、収益形態を確立すれば、インターネット利用はさらに素晴らしいものになる。
本格的なコンテンツ配信の嚆矢はNHKアーカイブスあたりになるだろうが、ラジオ局も次第にデジタルコンテンツの販売に乗り出し始めたようだ。
株式会社TBSラジオ&コミュニケーションズは、この度、音声や動画などのデジタルコンテンツを有料販売するために必要なコンテンツ配信プラットホームシステムを開発し、稼動を開始した。

TBSラジオは、ラジオ局として初の自社開発デジタルコンテンツ販売プラットホームの稼働により外部販売サイトへの委託やコンテンツ提供などに比べて短い準備期間で販売開始が可能なほか、多売を行うため自社での様々な媒体を利用した告知・広告、CDなど記録媒体やポータブルデバイスへの柔軟なコピー制御設定、売上情報を照会しながらの価格設定など前述のデメリットを解消し、自由度の高い運用が可能である。

コンテンツ配信プラットホームは、多数・大容量のデジタルコンテンツをストレスなく配信するため、負荷分散機能などを有するサーバとデジタルコンテンツを有料販売する際に必要な著作権管理(DRM=(Digital Rights Management)機能、決済機能、商品・売上管理機能で構成されている。

著作権保護のためのDRMシステムは、Windows Media Rights Managerを使用しており、コンテンツ自身を暗号化するために不正利用(お金を払わずに視聴した、不正入手したコンテンツの流通)を防ぐことができる。

また、販売されるライセンス(暗号を解くためのキー)には、視聴の有効期限や再生回数、ポータブルデバイスへのコピー回数など細かな権利情報の設定が行える。

利用可能な決済手段としては、クレジットカード(VISA、MASTER、JCB)、大手コンビニエンスストアで導入が開始された電子マネー“Edy”、加えてWebMoney、Bit Cashの各種オンライン決済に対応している。

インターネット上の各種サービス利用者負担は、基本的に無料であることが望ましいという意見があるが、ネットであっても電波であってもメディアにおける適正な対価を徴収し、著作権者の権利を保護する仕組みづくりが必要である。

広告連動のみに頼ったサービスの多くが撤退を余儀なくされている現状に鑑み、TBSラジオの新たな試みが奏功することで、リッチなインターネット環境と蓄積コンテンツの有効活用が図られることが期待される。
(TechinsightJapan編集部 真田裕一)