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ソフトバンクテレコムとジェイマックシステムがiPhoneを活用した遠隔医療画像転送システムについて共同研究を開始

iPhoneを医療現場に取り入れることで、救急医療現場担当医師が急患の医療写真を専門医に速やかに転送して指示を仰ぐことによって、適切な応急措置を可能にするシステムが、ソフトバンクテレコムとジェイマックシステムによって共同研究が開始される。

現在、医療現場では医師不足や様々な要因から、救急医療現場における迅速な対応が困難な状況にあると言われている。
救急処置は専門医の迅速な判断が欠かせないが、専門医が常に医療施設内に待機することは現実的に不可能であり、何らかの解決策が必要とされている。

今回実施する共同研究では、モバイル端末を活用した遠隔からの医療サポートを実現することで、救急医療の効率化と質の向上を目指し、その有用性(救急医療の質の向上と医師の負担軽減)を検証する。

この共同研究では、医療機関内で撮影した検査画像(CT、MRIなど)をJ-MAC社製DICOMビューア「VOX-BASE II」を使ってPDF化し、本システムが有するメール添付機能を用いて各専門医が持つiPhoneに送信することで、現場の担当医と院外の専門医が検査画像を共有しながら、迅速に救急処置の相談ができるようになる。

iPhoneでは、画面に直接触れて受信した検査画像を拡大して患部を確認したり、送受信された動画データでの閲覧も可能。
さらに、iPhoneのグループ通話サービス機能を活用すれば、医療画像を見ながら院内および院外の複数の担当医師が、最適な治療方法を検討するといった使い方も期待できる。

これらのiPhoneを活用した画像参照により、遠隔地での救急医療へのサポート体制の構築が可能となります。

特に過疎地の地域医療に携わる医師及びスタッフにとっては、非常に有効な技術となるであろう。パソコンを使った画像転送ならば、担当医は常に端末の前に待機していなければならないが、iPhoneという電話機能を兼ねる携帯端末ならば、専門医がどこにいても、急患患者の医療画像を確認して、音声連絡で適切な指示が行える。

地域の医師と救急隊員と都市部の専門病院がiPhoneを通して連携し、適切な医療措置の提供が期待される。
(TechinsightJapan編集部 真田裕一)