writer : techinsight

【パソコン快適活用術】(温故知新)チューニングとは基本をしっかり押さえること

パソコン文化には、かつて70年代から80年代にかけて若者が熱狂した車の改造・チューニングの文化が引き継がれている。つまり少しでも速く、少しでも軽く、少しでも足回りを速くという渇望が、そのままパソコンのチューニング技に継承されていると言ってもよい。
しかし、車にとって本当に必要なのは改造やチューニングではなく、オイル交換などの基本メンテナンスであるのと同様、パソコンのメンテナンスも基本をしっかり押さえることが必要である。

まもなくWindows7が正式リリースされる予定だが、それと時期を同じくして「はじめてのWindwos7」「Windows7安定化作戦」「Windows7を限界まで速くする」「Windows7 100の裏技」といった雑誌が発売されるであろう。

しかし、そこに載っている技の多くは「やって楽しい」というためのテクニックであり、パソコンに必要なスキルではない。

Windowsにとって必要なチューニングとは、今も昔も次のようなもので変わりはない。

○定期的なデフラグメンテーション
○定期的なディスク検査(CHKDSKの使用)
○メモリの断片化解消(多くは再起動で復活する)
○転ばぬ先のバックアップ
○メモリはなるべく多く搭載すること

また、カスタマイズという作業もあるが、これは自分が快適に作業できる環境を整えることであって、多くはフリーウェアのツール導入を伴うが、これとて本当に自分に必要なツールかどうかは常に自問した方がよいだろう。

アプリケーションを入れすぎると、システムの調子が悪くなるのは今も昔も変わらない。

そして、セキュリティ対策を怠らないことである。先日リリースされたマイクロソフト純正のウィルス対策ソフト「Microsodft Security Essentials」が無料で使える有り難いソフトであるが、セキュリティとはウィルス対策だけではない、スパム対策、フィッシング対策、不正侵入対策など多くの課題がある。

とかく速さや性能を競いたがるのは男性に顕著であるが、ここで一つ踏みとどまって女性的な価値観、つまり「自分がいかに快適か」を考える余裕を持ちたいものである。

そして、同じく女性的な感性である「用心深さ」も身につけた方がよいであろう。無線LANを暗号化なしで使っていたり、パスワードが脆弱だったりする環境は、抜本的に見直したほうがよい。

ここでは、システム管理者的な知性が求められる。OSやミドルウェアのパッチは速やかに適用するとともに、パスワードの定期的な変更やストロングパスワードの採用など、考えるべき事は多い。

チューニングやカスタマイズの達人になるよりも、システム管理の達人を目指すことをオススメしたい。
(TechinsightJapan編集部 真田裕一)