紙媒体の衰退が加速し、雑誌の休刊が相次ぐ状況であるが、一貫した編集方針に基づいて構成された「雑誌」というジャンルの媒体価値が衰退したわけではない。
問題なのは、流通にかかるコストと時間により、読者の手に渡る頃には情報の鮮度が失われてしまうことであり、電子メディアとの融合によってこれを解決しようとするのが、オンライン雑誌販売/閲覧プラットフォーム「コルシカ(Corseka)」である。
「コルシカ」では、購入したコンテンツを直感的な操作により、ストレスなく閲覧できる専用オンラインビューワを提供。
ブラウザとFlashだけで動くため、面倒なアプリケーションのダウンロードは不要で、購入後、雑誌をすぐに読むことができる。
また、後で読み返したいお気に入りコンテンツをすぐに取り出せるよう に、MYフォルダにクリッピングできるようになっている。
なお、コンテンツは暗号化されているため、コルシカ専用のオンラインビューワ以外で閲覧することはできない。
雑誌出版社にとってのメリットは、取次を通して販売する数量の雑誌をコルシカが実購入しているため、雑誌販売の機会が増加するとともに、現状の業界の枠組みを踏襲しており、権利者の権利が保護されていることである。
ユーザーはインターネット環境があれば、購入した雑誌をいつでも読むことができ、保管場所を取らずに、大量の雑誌を保存できる。また、気に入ったページをクリッピングでき、自身で作成したフォルダ毎に整理できる。
ネット環境の普及により、出版業界の受けた打撃は甚大なものがあるが、従来型の流通システムを見直し、原点に帰って「金を出してでも読みたい情報」を提供すれば、まだまだニーズは消えないだろう。
(TechinsightJapan編集部 真田裕一)