20日、TBS系「リンカーン」にロッチ(よしもとクリエイティブ・エージェンシー)が登場した。実力派若手芸人として頭角を現しつつある彼らだが、リンカーンへの出演は初めてのことだった。
ロッチは水曜10時時代の「爆笑レッドカーペット」で注目を集め、現在は同枠で放送されている「爆笑レッドシアター」でレギュラーを務めている。いわばフジテレビの申し子ともいうべき存在であるが、リンカーンへの出演でTBS進出を果たした。
局をまたいだ活躍はロッチに限ったことではない。レッドカーペットからブレイクした通称“レッド芸人”たちはいまや局の枠を超え、さまざまな番組に華を添えている。
いまやレッカペに次ぐ芸人発信基地となっているのが、TBS系「あらびき団」であり、受け入れ元は主に日本テレビ系「エンタの神様」。この2番組の取り合わせは意外に思うかもしれないが、あらびき以外では放送できないアナーキーなネタと、芸人の持ちネタを改変しなければ気がすまないエンタの性質ががっちり絡み合った蜜月の関係となっている。
たいていの場合エンタは芸人にとってある意味終着駅となるが、そこから再び別の番組に顔を出すことも。最近でいえば「ビューティーこくぶ」(ビッグワールド、エンタには「ジャワネットたかた」名義で出演)がそうであり、芸風を変えずにレッドカーペットに出演して好評を博している。
こういった現象は視聴者としては若干“お古”感を覚えてしまうが、芸人にとってはけっして悪いことではない。いま流行のリデュース・リユース・リサイクルだと思えばなんだか地球に優しい気すらしてくる。
名の売れた芸人は活躍の幅を広げ、消えゆく芸人は新たなるステージを探せる。芸人3Rは次世代のスターを求めるテレビ局の戦略であると同時に、芸人にとっては二重三重のチャンスが与えられるありがたいシステムであるといえよう。個人的にはもう少しだけ、メディア、芸人ともにリデュースに力を入れてほしいが。
ちなみにリデュースとは、簡単にいえばゴミを減らす活動のことである。なかなかゴミにならない、息の長い笑いを楽しみたいものだ。
(TechinsightJapan編集部 三浦ヨーコ)