第26回となる2009年の『MTV/ビデオ・ミュージック・アワード（VMA）』授賞式が、13日ニューヨークで開催された。しかしここで、かつてないハプニングが起きてしまった。音楽プロデューサーでラッパーのカニエ・ウェストがステージに乱入、人気女性歌手テイラー・スウィフトの受賞に、マイクをひったくってケチを付けた。

2009年の女性アーティストによるビデオの最優秀賞は、予想を覆し、人気カントリー・ポップ歌手のテイラー・スウィフトによる“You Belong To Me.”に決まった。プレゼンテーターのシャキーラがその名を呼ぶと、信じられないといった面持ちでスウィフトはステージに上がり、“夢のようです。カントリー・ソングを歌う私がこのような賞を頂けるなんて…”とマイクに向かって感動を語り始めた。

テレビ・カメラがP!NKとケアリー・ハート夫妻を映している隙に、突然ステージにはカニエ・ウェストの姿が。彼はスウィフトのマイクをひったくり、おそらくはちょっとの差で受賞を逃したと思われる、ビヨンセ・ノウルズの“Single Ladies”への支持を叫び始めた。

「おいテイラー。賞を取れて良かったな、オレも嬉しい。だがちょっとだけ喋らせてくれ。ビヨンセは、いつだって最高のビデオを作っている。ビヨンセは最高のビデオを、常に作っているんだよ。皆分かっているか！」

これだけ喋るとマイクをボンとスウィフトに返し、カニエはステージから下がった。客席のビヨンセにテレビ・カメラが向くが、彼女は嬉しいやら困るやら、「ちょっと何なのコレ…」と言いながら唖然とした表情を見せる。19歳とまだ若いスウィフトは、トロフィーとマイクを持ちながら、茫然と立ち尽くし、すでに言葉を失ってしまっている。

会場はカニエの暴挙に猛烈なブーイング。 “スウィフト、気にするな。君が受賞したんだよ。”　とステージに向かって大きな拍手を送るが、スウィフトはあまりのショックですっかり笑顔が消えてしまった。
（TechinsightJapan編集部　Joy横手）