コナン君と金田一少年の疫病神対決から始まった、大真面目に漫画の主人公を現実世界の尺度で分析するこの企画。今回のテーマは、”バトルの際に技名は叫ぶ必要があるのか?”というもの。考えてみた結果、理由は以下3つにまとまった。
1) 技の名前が気に入ってるから。
厳しい修業の結果、修得した技。やはり愛着が湧くのだろう。名前を付けたくなる気持ちもわかる。恐らく技には名前辞典のようなものは無いだろうから、「やっぱ名前は付けとこうぜ」「これは○○っぽいから△△ね」といったように”命名”されているのではなかろうか。
ただ、名前を付ける為に雑学は必要である。それは、普通の生活をしている人にはなかなか思いつかないものが多いからだ。勿論、名前を自分で付けているとは限らない。師匠や仲間に付けられた可能性はある。もしくは、以前戦った相手の技の名前から付けている可能性もある。法的には微妙ではあるが、技の名前は似ていても訴えられないはずだ。
そうやって付けられた技の名前は、名前のかっこよさと言うより技そのものを得るまでの苦労から、愛着が湧く。そんな苦労の結晶である技を見せ付ける為に、名前を叫んでしまうと考えられる。
2) パフォーマンスとして必要だから。
プロレスの場合、いちいち技の名前は叫ばない。だが、完全に名前負けしている技はある。ということは、技の名前は強く見せる為にあると言っても過言ではない。よってそれを叫ぶのは、相手に「強いぞアピール」をする為なのである。技の効果より、相手に「あ、あいつ何となく強そう」と思わせることを期待しているというわけだ。技の名前を叫ぶのは、強さを見せ付けるパフォーマンスなのだ。
3) 技の説明をする必要があるから。
技を見ただけで、過去に出てきた技なのか新しい技なのかはわかりにくい。プロレスでも、技の名前を全て暗記して見ている人は少ないだろう。漫画の場合、技を説明する為にキャラクターが叫んでいる可能性がある。つまり、その技を思い出してもらったり、覚えてもらう為に叫ぶのだ。当たり前かもしれないが、漫画にはナレーターが出てくることが少ない。技の名前とその効果の説明は誰もしてくれない。だから自分で叫ぶ。つまり、プロレスのナレーター代わりなのである。
理由としては、これが一番しっくり来る。名前を気に入ってるし、パフォーマンス的な要素もある。だが、一番は説明する為なのだ。読者からしたら物凄くダサイ技の名前で、「何でいちいち叫んでんだよ」と思うこともあるかもしれない。しかし、技の説明をする人が誰もいないからしょうがないのである。
会社だってそうだ。作った資料をただ相手に渡すだけなんてことは少ない。「これは○○の資料です」と言って渡すことがほとんどだ。ならば、「これは○○という技です」と言った方がむしろ親切にあたるだろう。というわけで、例えバトルの場であろうと説明は大事だということである。
(TechinsightJapan 編集部 藤岡あかね)