毎週日曜日の朝に生放送している、関口宏司会の報道ワイドショー『サンデーモーニング』(TBS系)。長年続くこの番組の看板コーナー、大沢啓二・張本勲のスポーツ界長老によるご意見番コーナー「週刊御意見番」(そのまんまのタイトル)で、いつも“先走りぎみ”の長老、張本勲(通称・張さん)に対して、とうとう司会の関口がピシャリとたしなめる一幕が。『サンモニ』にも政権交代”の波が押し寄せる。
1987年から続く『サンデーモーニング』。10年ほど前、スポーツコーナーにいきなり登場した大沢親分の「親分は怒ってるんだぞ」がスタート。
最初は電車の中刷り広告にある野球ネタに対して、ああだこうだ言っていたような気がするのだが、いつのまにか張さんと共に今のスタイルに。長年培ってきた、球界(スポーツ界)の“上下関係”をフル活用し、勝手気ままに「喝」だの「あっぱれ」だの言いまくる“ジジイ二人”の痛快さがウケて、いまやこの番組一番目玉になってしまった。
気に入らない審判をぶん殴ったり、選手に掴みかかったり、ひどくやんちゃだった大沢親分の“過去の贖罪ゼロ”のこのコーナー。どんどんスポーツの種目を増やし、野球、ゴルフを越え今やオールマイティー、どんなスポーツにも対応可能になっている。
老齢の大沢、張本の知識欲と対応力には驚くばかりだが、”事件”は6日に紹介された珍しいマレーのスポーツ「セパタクロウ」の試合の紹介時におこった。
セパタクロウは、時速140キロの速さで蹴り飛ばされた「硬い空洞ボール」(現在はプラスチック製、昔は籐で編み上げて作られていた。)を、足、頭、背中で受け、攻撃する。バレーボール様のコートで行われるサッカー又はハンド・ボールのようなスポーツだ。
エロ・メガネ唐橋ユミ(フリーアナ)がお手製の「手書き・段ボール模型フィリップ」でここまで説明すると、元サッカー選手でスポーツジャーナリストの中西哲生が、「華麗に見えるけど、タマはサッカーよりも速い上に近距離でコワい。」と、コメント。その時「女子もあるよね?」と張本がつっこんだ。
「嫁入り前のオトメ(女子選手)の顔にコブができたらどうするんだ!」的な事を心配し、ぐじゃぐじゃ言い出した張本。一見怒りっぽいように見えて若者との立ち回りも上手い大沢親分に比べて、なにかあると「張さん」は意外と面倒くさい。
さっき見た映像では誰も顔にケガしている選手はいなかったので、多分みんな上手く速い球を避けているのであろうが、「このボールは硬いけど、軽いから交わしやすい」。とエロ・メガネ(唐橋アナ)が苦しく張本を説得。しかし、「でも、危ないでしょう?」と張本は引かない。いつもなら、みんな「そうですね。」と言って折れるところなのだが、今日は司会の関口がピシャリと言い放った。
「余計なお世話です。」
よくぞ言った、言ってやった関口宏。低視聴率を誇るTBSの重圧に耐えて来た男が、齢65歳を超え、初めて影の巨大権力(張本)に対する強気を見せた。思えば「水曜ノンフィクション」惨敗によりギャラ返上を申し出る関口、「東京フレンドパーク」では、(エグザイルなど)若いゲストについていけない関口、白髪が目立つ関口、シワシワな関口。
過去「知ってるつもり?」(日本テレビ系)など真摯な番組づくりに貢献するも、時代の波に押され、硬めの番組がウケずに低視聴率にあえぐ彼。関口が威厳を張れるのは今やこの『サンモニ』だけ。身を守るためには、いつまでも長老たちにひれ伏してはいられないのである。
「スポーツご意見番」を皮切りに、関口宏は様々な“政権交代”を目論んでいるのではないか。
(TechinsightJapan編集部 クリスタルたまき)