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高品位音声合成システム「ボイスソムリエVer.2.02」など発売 日立ビジネス

音声合成システムの進歩は、ユニバーサルデザインの浸透を促進しており、今後求められるのは音声の速度やニュアンスの細かい調整機能であろう。
「待避してください」といった緊急性を要する音声は速いスピードで、「レバーを下げてください」といった作業指示音声はゆっくりと聞こえるようにデザインするのが理想だ。
そういった、ニーズに応えるのが、日立ビジネスの「ボイスソムリエVer.2.02」「ボイスソムリエ マリアージュVer.1.03」だ。

ボイスソムリエは、漢字かな混じり文のテキストを入力するだけで、音声合成を使ったアナウンスやナレーション音声を作成することができるシステムである。
簡単なパソコン操作でイントネーションなどを細かく調整でき、作成した音声は音声ファイル(WAV形式)へ出力が可能だ。

ボイスソムリエ マリアージュは、テキスト文章の音声ファイル化や再生など、多彩な音声合成機能を、容易にユーザーアプリケーションに組み込むことができる音声合成ミドルウェアだ。
「ボイスソムリエ」と異なり、ユーザー操作を介さない、ユーザーアプリケーションからの自動音声合成を実現する。

このたび、「ボイスソムリエ」、および「ボイスソムリエ マリアージュ」における読み上げ速度の調整機能を強化し、音声の再生速度を、標準の50%(標準の半分の速度)から、300%(標準の3倍の速度)の範囲で、倍率指定を可能とした。

これにより、音声を確実に聞き取ってもらう必要がある場合には、ゆっくりとした読み上げ速度を設定したり、緊急性を要する場合には速い読み上げ速度を設定するなど、さらに幅広い分野・用途で合成音声の利用が可能となる。

ユニバーサルデザインは、障がい者雇用や外国人労働者の円滑な就労促進に向けて、企業が取り組む課題の一つとして認識されつつある。そのための方策として、有効な音声指示システムの構築が求められ、ボイスソムリエシリーズのようなソフトウェアのニーズは高まっていくであろう。
(TechinsightJapan編集部 真田裕一)