自宅でのパソコンからネットワークを経由して会社のIT環境にアクセスする、いわゆるテレワークは現在2つの側面から検討が続けられている。ひとつは新型インフルエンザ・パンデミックや大地震などによる出社不能時における事業継続の必要性から。もうひとつはワークライフバランスの確保や出産休暇取得者の早期職場復帰を目的とした、総務省・厚生労働省が実施する平成21年度テレワーク試行・体験プロジェクトとして推進されている施策である。
今般、大塚商会が当該プロジェクトに参加し、本年10月より公募企業に対しリモートアクセスサービスの提供を開始する。
テレワーク試行・体験プロジェクトは平成19年5月に発表された「テレワーク人口倍増アクションプラン」にもとづき、総務省・厚生労働省により平成19年より実施されており、平成22年までにテレワーカーの就業人口に占める割合を2割に引き上げることを目標にしている。
大塚商会は公募による参加企業にリモートアクセスサービスを無償で提供し、ワークライフバランスや多様で柔軟な働き方を可能とするテレワーク社会の実現に向けた情報通信システム基盤の先進モデルの構築と検証を行うとしている。
テレワークという就業形態は、仕事と家庭生活のバランスを保つことができるとともに、シフト制による在宅勤務日を設けることで、会社オフィススペースの縮小を図ることができる。
また、出勤時間がかからないことにより、時間を有効に活用できるといった多くのメリットがある反面、家庭に会社の仕事を持ち込むことによる、精神衛生上の問題や、就業時間管理が複雑になることによる労務管理の問題などが懸念されており、どうすれば円滑な運用ができるかという試験段階にある。
大塚商会では総務省・厚生労働省のテレワーク試行・体験プロジェクトへの情報通信インフラ基盤の提供を通じ、多くの企業にリモートアクセスサービスの有効性を評価してもらうとともに、テレワーク社会の実現を目指していくとしている。
(TechinsightJapan編集部 真田裕一)