2000年代後半のOS機能は、数多く開いたウインドウをいかに効率よく管理するかということと、ファイルアイコンの中身をいかにスムースにプレビューするかということを巡って発展してきたと言える。もちろん内部的な改良も多く行われているが、一般ユーザーはあまり意識する必要はない。
2009年の最新OS(リリース予定)であるWindows7はWindows Flipとタスクバープレビューで、MacOSX10.6 SnowLeopardはウインドウを一覧表示するExposeと仮想デスクトップSPACESで、それぞれ複数ウインドウを効率よく管理している。
そこで、Macに搭載されているExposeとSPACESをWindowsで実現するフリーソフトをWindows7RC版にインストールして、どれくらい劇的にウインドウ管理ができるかを実験してみることとした。
使用したのは、それぞれDExposeとVirtual Desktopというツールだ。
Virtual Desktopでは仮想的に複数のデスクトップを作り、たとえばMicrosoft Officeを使った作業は1番デスクトップで、Adobe CS4を使った作業は4番デスクトップでという具合にアプリケーションごとに割り当てることができる。
そして、複数のウインドウを一覧したいときにはDExposeを起動すれば良い。
ところで、複数のウインドウを一覧する機能は、Windows7の場合には[alt]+[tab]キーで呼び出せるWindows Flipが担当している。
そこで両者の機能を統合して、4番デスクトップの7つのウインドウをExposeとWindows Flipで一覧して、どうなるかテストしてみた。
結果はWindowsを使っている限り、Windows Flipのほうが便利である。
4つのデスクトップの全ウインドウをどちらかで一覧表示できればよかったのだが、これはWindowsでもMacでも不可能だ。Virtual Desktopで一度単一デスクトップにウインドウを集めてから処理しなければならない。
MacがWindowsの機能を取り入れることはおよそ考えられないが、Windows FlipならぬMac Flipを作って、どのデスクトップのどのウインドウでも一覧表示して瞬時に切り替えられるようになればよいのかもしれない。
しかし、ブラウザのようにタブ機能を持つアプリもあるので、「4番デスクトップのこのウインドウの3番目のタブ」を一瞬で開くといった方法は今のところなく、これ以上ウインドウ管理が便利になっても、人間のほうで管理しきれないことが予想されるので、今回の実験は無意味だったという結論に至る。
もちろん無意味なことをきちんと検証した上で、「無意味である」と結論づけることには、それなりの意義があるのである。
(TechinsightJapan編集部 真田裕一)