writer : maki

【どっちが勝ち組でショー】小栗旬VS草なぎ剛。時代映画対決!

この秋公開されて話題の映画二作は偶然にも時代物である。
「バラッド名 もなき恋のうた」と「TAJOMARU」がそれだが、その原作はアニメと日本文学となっており監督がどのように撮ったかが見どころとなっている。そして、なによりの話題は主演俳優だろう。
「バラッド・・」が草なぎ剛、「TAJOMARU」は小栗旬なのだ。今回の対戦は初の時代物に挑戦したイケメン二人に対戦してもらおう。

9月5日より公開されている「バラッド 名もなき恋のうた」の原作は2002年のアニメ映画「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦」である。
アニメ、しかもクレヨンしんちゃんが原作というのは意外な感じだが、実はこの作品は涙なくして見ることはできない名作として知られる。
その人気は興行収入13億円を記録し、文化庁メディア芸術祭アニメーション部門の大賞に選ばれてもいる。
今回の実写化「バラッド 名もなき恋のうた」では、原作の実績がプレッシャーとなる部分もあっただろう。しかし、監督は「ALWAYS 三丁目の夕日」の山崎貴。主演にSMAP草なぎ剛、新垣結衣を抜擢して原作を知る者も期待するキャスティングがなされた。

内容について多くを語るのは止しておくが、原作同様にしんちゃんに変わる少年がタイムスリップして、戦国時代で武将と姫の恋愛物語に絡んでいくというものだ。
草なぎの気迫ある武将ぶりも評価が高いが、どうしても原作と比較される為に「アニメの方が泣けた」という声も少なくない。
しかし、アニメとは違った展開もあり、特に合戦シーンや戦国時代の暮らしの厳しさという場面は実写ならではのものがある。

一方9月12日公開となった「TAJOMARU」は、原作が芥川龍之介の小説「藪の中」となる。
「藪の中」を原作とした映画は黒澤明監督の「羅生門」以降世界中で撮られているのだ。
主なところでは暴行(米・ポール・ニューマン出演)、アイアン・メイズ ピッツバーグの幻想(米・村上弘明出演)、 藪の中 (日本・松岡俊介、坂上香織、細川茂樹)、MISTY(日本・天海祐希、金城武、豊川悦司)などがそうである。
そして今回、中野裕之監督が挑戦した作品が「TAJOMARU」である。
題名にもなっている多襄丸を演じるのは小栗旬だ。

「藪の中」は今昔物語集の逸話をもとにして芥川龍之介が書いたものなので、時代背景は平安時代と考えるとイメージしやすい。
話は夫婦が若い盗人に襲われて弓も馬も何もかも奪われ、そのうえに妻が藪の中で木に縛られ手込めにされる。情けない夫はその様子をただ見ているだけという設定だ。
しかしその後、気丈な妻の言葉により夫と盗人は決闘することになる。
ここから殺人事件に展開していくのだが、これ以上は控えておこう。

原作ではこの後ミステリーの様相を呈してくるのだが、「TAJOMARU」についてはミステリーというよりも女性への愛情がテーマといえるだろう。
両映画の内容については是非映画館で観ていただきたい。

ここでは主演した二人について見てみよう。
草なぎ剛はこれまでも映画やドラマでは違う人間かのようにその役に没頭することで知られる。今回の映画でも井尻又兵衛に成りきる為に撮影中はほとんど雑談をしなかったという。

だが、撮影が終わるといつもの草なぎくんになる。その切り替えが凄い。
映画完成報告会では姫様役の新垣結衣に対して
「新垣さんのお着物姿が美しくて本当に好きになりそうでした。」
「年の差は関係無い」とまで言って、新垣結衣を驚かせた。

また、テレビ「いきなり!黄金伝説。」の企画では24時間の戦国時代生活を体験した。
下着までふんどしという完璧な格好で、火おこし、うなぎとり、など当時の生活に挑戦した。

一方の小栗旬は映画撮影の発表会で「坊主頭」で登場して周りを驚かせた。
しかし、映画の為の坊主頭ではなく「ドラマ」のためと明かして会場をなごませた。
また、彼は映画キャスト陣で七夕の短冊を書いた際に
「もっと自由になれますように」と願い事をしている。
これについて
「今の自分の自由は本当の自由じゃなくて。精神的に解放したいと思った」
と話しており、真意は確認できないが、この映画に今の自分からの脱皮を賭けている意気込みともとれた。

草なぎ剛と小栗旬。こうして二人の映画にかかわるエピソードを見てみると実際に当時の生活を経験までした草なぎのアピール度が勝っているようだ。
「テレビの企画じゃないか」ともいえるが、ドラマ「任侠ヘルパー」も撮っている段階で、笑っていいとものレギュラー日も重なっている日程だったのだ。
この企画出演はかなりハードだったはずだ。
この勝負はやはり、アピール度。バイタリティーで勝っていた草なぎ剛の勝ちとする。

両映画はどちらも9月に公開されたばかりだが、多くの人に観ていただきたい映画である。
興行結果も楽しみだ。
(TechinsightJapan 編集部 真紀和泉)