「キングオブコント2009」(以後KOC)決勝ラウンドが22日に迫った。同大会の開催は今年で2回目。初開催となった昨年は正直、大会全体を通して大成功とはいえない出来であったことは否めない。
KOCはM-1やR-1に出場できない芸人も参加できるコントの祭典である。将来的には漫才のM-1、ピン芸のR-1、コントのKOCと、三本柱になることが主催者側の青写真であろう。さらに芸人が芸人を審査するという一風変わったシステムを取り入れ、他大会で感じられる不平等感を払拭する動きもみられた。
いろいろと新しい試みを取り入れたKOCが昨年好スタートを切れなかったのは、その新しさゆえだと私は思う。あれほどの新しさは大衆は求めていなかったのだ。
昨年の決勝進出メンバーで、全国区でメジャーと断言できたのはバナナマンとロバートぐらいのもの。他はやや通好みであり、2700にいたっては当時いろいろと情報をあさってみたが、ほぼゼロの状態であった。ガチ感あふれる顔ぶれであったことは確かだが、やや求心力に欠けたかもしれない。
くわえて昨年の今頃はまだ、お笑い好きとまではいかない一般視聴者はコントそのものになじみがなく、新しく(ある世代にとっては逆に古臭く)感じられたのではないか。結果、見慣れぬものに戸惑う大衆は置いてけぼりとなり、業界と芸人、コアなお笑い好きだけが盛り上がる内輪受けの雰囲気が大会を満たしてしまった。
だが今年は違う。若い世代に訴えかけるコント番組が定着しており、決勝出場者もなかなか名の知れたメンバーぞろい。審査方法にも若干の変更があり、意図した部分、していない部分あれど明らかに大衆向けにシフトしてきている。
芸人の力量以前に大会の在り方を問われた昨年のKOC。今年こそその歪みを解消し、M-1やR-1と肩を並べることができるのか。
(TechinsightJapan編集部 三浦ヨーコ)